ウエスタンデジタル(Western Digital) WD Black WD1002FAEX

S.M.A.R.T.（Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology）機能は、ハードディスクドライブの健康状態を自己診断し、潜在的な故障の兆候をユーザーに通知する標準的な機能です。これにより、ドライブの異常を早期に検知し、データ損失のリスクを低減するための対策（バックアップなど）を講じる時間的余裕が生まれます。WD Blackシリーズのような信頼性を重視する製品には、この機能が当然のように搭載されており、データの安全性を高める上で非常に重要です。

本製品は最高のパフォーマンスを追求するWD Blackシリーズであり、省電力機能については特に言及がありません。高速な7200rpm回転速度やデュアルプロセッサの採用は、パフォーマンスを優先する設計思想を示しており、省電力性を積極的に高める機能は搭載されていない可能性が高いです。ユーザーレビューでも発熱に関する指摘があることから、消費電力は一般的なHDDよりも高めであると推測されます。省電力性を重視する用途には、WD Greenなどの省電力モデルが適しています。

製品情報には静音性向上に関する具体的な機能の記載がなく、ユーザーレビューでは「音が少しする」「それなりに音が大きい」「うるさいかな」といった動作音に関する指摘が複数見られます。高性能を追求するモデルであるため、静音性は二の次になっている可能性が高いです。NoTouch™ランプロードテクノロジーはヘッドの摩耗低減には寄与しますが、動作音の直接的な低減を目的とした機能ではありません。静かなPC環境を求めるユーザーは、別途防音・防振対策を講じるか、静音設計のHDDを検討する必要があります。

本製品に関する情報には、RoHS指令（特定有害物質使用制限指令）への対応について明示的な記載がありません。現代の電子機器においてはRoHS指令への準拠が一般的ではありますが、製品情報から確認できないため、環境規制への対応状況を重視する場合は、メーカーの公式ウェブサイトなどで詳細を確認することをお勧めします。

本製品の仕様や機能に関する情報には、ハードウェアレベルでの暗号化機能（SED: Self-Encrypting Driveなど）についての記載が見当たりません。データセキュリティを強化するために暗号化を必要とする場合は、OSの機能（BitLockerなど）やサードパーティ製のソフトウェアを利用して暗号化を実装する必要があります。機密性の高いデータを扱う場合は、この点に留意し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。

本製品には、記録ヘッドがディスクメディアに接触しないNoTouch™ランプロードテクノロジーが搭載されており、移動時や不意の衝撃から記録ヘッドとディスクメディアの摩耗を低減し、ドライブを保護します。また、製品全体として「信頼性の高いメカニカル構造」を謳っており、データの保護をより確実にするための設計が施されています。ただし、特定の振動低減技術であるStableTrac™は4TBおよび2TBモデルのみに適用されると明記されており、本製品（1TB）には直接適用されません。しかし、広義の振動や衝撃からの保護という観点では、一定の対策が講じられていると言えます。