ASUS TransBook T100TAM-B-GS

この製品のディスプレイは10.1インチのIPS液晶で、タッチ操作にも対応しています。IPSパネルのため視野角は広く、斜めから見ても色味が大きく変化しにくい点は良いでしょう。しかし、解像度が1366x768（HD）と、現在の基準ではやや低めです。そのため、文字が少し粗く見えたり、ウェブページや文書を表示できる情報量が少なかったりする場合があります。特に、高解像度ディスプレイに慣れている方や、細かい文字を読むことが多い方には、物足りなさを感じるかもしれません。グレア（光沢）タイプのため、明るい場所では映り込みが発生しやすい点も注意が必要です。動画視聴やウェブ閲覧といった一般的な用途では問題ありませんが、写真編集やデザイン作業など、高い精細さが求められる用途には不向きです。

CPUにはIntel Atom Z3795、RAMは4GBを搭載しています。この構成は、ウェブ閲覧、メールの送受信、簡単な文書作成といった基本的なタスクには対応できますが、複数のアプリケーションを同時に開いたり、重い処理を伴う作業を行ったりすると、動作が遅くなる可能性があります。特に、Windows Updateの適用や、Officeソフトを複数起動しながらインターネットを利用するような場面では、もたつきを感じやすいでしょう。動画編集やPCゲーム、プログラミングといった高度な処理能力を必要とする用途には全く向きません。この製品は、あくまで日常的な軽作業や、持ち運びやすさを重視したサブ機としての利用を想定するのが現実的です。パフォーマンスを重視する方は、より上位のCPUや大容量メモリを搭載したモデルを検討することをお勧めします。

この製品のストレージ構成は、タブレット部分に32GBのeMMC、キーボードドックに500GBのHDDを搭載しています。OSや主要アプリケーションはeMMCにインストールされますが、32GBという容量はWindows OSだけでもかなりの領域を消費するため、Windows Updateやアプリケーションの追加で容量不足に陥りやすいというレビューが多く見られます。500GBのHDDはデータ保存用としては十分ですが、OSやアプリの動作速度には直接寄与しません。また、メインメモリは4GBと、現在のPCとしては最低限の容量であり、複数のタブを開いたり、Officeソフトを同時に使用したりすると、動作が重くなる可能性があります。ストレージの容量不足と低速なeMMC、そして少ないRAMは、この製品の最大の弱点と言えるでしょう。快適に使用するには、こまめなストレージ管理や、外部ストレージの活用が必須となります。

この製品には、タブレット側にmicroUSBポートとmicroSDカードスロット、キーボードドック側にUSB3.0ポートが搭載されています。microSDカードスロットはストレージ容量の拡張に役立ちますが、USB Type-Cのような汎用性の高いポートは搭載されていません。そのため、最新の周辺機器や外部ディスプレイへの接続には、別途アダプターが必要になる場合があります。無線通信は、Wi-Fiが802.11a/b/g/n規格、Bluetoothがバージョン4.0に対応しています。これらは現行のWi-Fi 6やBluetooth 5.0/5.1と比較すると、通信速度や安定性、省電力性で劣ります。特に、高速な無線LAN環境や、複数のBluetoothデバイスを同時に接続したい場合には、物足りなさを感じるかもしれません。基本的な接続は可能ですが、拡張性や最新規格への対応という点では、やや限定的と言えます。