寿工芸 パワーサーモ ET-600X

本製品には空焚き防止機能に関する明確な記載がありません。水槽内の水位が低下し、ヒーターが水面から露出した場合に自動で運転を停止する機能は、火災やヒーター自体の損傷を防ぐ上で非常に重要です。この機能がない場合、水換え時や蒸発による水位低下時に重大な事故につながるリスクがあるため、使用時には常に水位に注意を払い、電源を抜くなどの対策が必要です。

本製品は「安全性の両立を目指した」と謳われており、過熱保護機能は搭載されていると考えられます。しかし、スタッフの確認結果では、設定温度を超えてもヒーターが停止せず、水温が上昇し続ける事例が報告されており、その精度には大きな課題があります。この機能が正常に動作しない場合、水槽内の生体が危険な高温状態にさらされるリスクがあるため、本製品を使用する際は、必ず別途高精度な水温計で水温を監視し、異常時には速やかに対応できる体制を整えることが不可欠です。

本製品には設定温度記憶機能に関する記載がありません。停電や電源の抜き差しがあった場合、再度手動で温度設定を行う必要があると考えられます。この機能がないと、電源復旧後に水温が不安定になる期間が生じ、生体にストレスを与える可能性があります。特に、頻繁に停電が発生する地域や、電源の抜き差しが多い環境での使用には不向きであり、常に水温を監視し、必要に応じて再設定する手間が発生します。

本製品には水温異常アラート機能に関する記載がありません。設定温度と実際の水温に大きな差が生じた場合でも、光や音でユーザーに知らせる機能がないため、水温の異常に気づくのが遅れる可能性があります。スタッフの評価で温度設定の誤差が指摘されていることを考慮すると、このアラート機能がないことは、水温トラブルへの対応を遅らせ、生体の健康に悪影響を及ぼすリスクを高めます。別途、水温計にアラート機能があるものを使用するなど、対策を講じる必要があります。

本製品はヒーターとサーモスタットが一体型であると推測されます。そのため、サーモスタット分離機能は搭載されていません。一体型は設置がシンプルで手軽という利点がありますが、ヒーターまたはサーモスタットのどちらか一方が故障した場合でも、ユニット全体を交換する必要が生じ、経済的な負担が大きくなる可能性があります。また、水槽内に設置するため、レイアウトによっては目立つこともあります。