On SUPPLY アナログ体温計

アナログ体温計であるため、測定には比較的長い時間が必要です。デジタル体温計のように数秒から数十秒で測定が完了するわけではなく、数分間わきに挟んでおく必要があります。このため、忙しい時や、小さなお子さんなどじっとしているのが難しい方の体温を測る際には、不便を感じる可能性があります。迅速な測定を求めるユーザーには適していません。

測定自体はシンプルですが、使用後に体温計の目盛りを振って下げる作業が難しいという意見が複数見られます。コツを掴むまでに時間がかかったり、なかなか下がらないといったストレスを感じるユーザーもいます。また、ケースのレンズが見やすいとされていますが、期待ほどではないという声もあり、視認性にも改善の余地があります。デジタル体温計のような直感的な操作性や表示の分かりやすさはありません。

水銀フリーであるため、万が一破損した場合でも水銀中毒の心配がない点は大きな利点です。しかし、本体がガラス製であるため、落下や衝撃による破損のリスクがあります。実際に「内部が割れてしまった」という報告もあり、取り扱いには十分な注意が必要です。小さなお子さんがいる家庭では、破損時の破片による怪我のリスクも考慮する必要があります。

ブランド名「On SUPPLY」は一般的な大手メーカーと比較すると認知度が低く、製品情報に保証期間やサポート体制に関する具体的な記載が見当たりません。このため、製品の品質に対する信頼性や、万が一の不具合が発生した際のサポート体制については、懸念が残ります。購入後の安心感を重視するユーザーにとっては、この点が大きなデメリットとなる可能性があります。

スタッフレビューでは「買って2年ほどで、温度を下げる時のケースの取手部分が折れて取れてしまいました」や「すぐ壊れました」「内部が割れてしまった」といった報告があり、耐久性には課題があると考えられます。特に、目盛りを下げるために振る動作が頻繁に行われることを考えると、構造的な弱点がある可能性も指摘されています。長期的な使用を考えると、丁寧な取り扱いが不可欠です。

本製品はアナログ体温計であるため、デジタル体温計に搭載されているような測定完了通知、前回値メモリー、バックライト、測定ガイド、高速測定といった付加機能は一切ありません。電源不要であること自体が特長ではありますが、現代の体温計に求められる利便性や多機能性は期待できません。シンプルな機能のみを求めるユーザー向けです。

¥3850という価格は、アナログ体温計としては比較的高価な部類に入ります。高い測定精度という明確な利点がある一方で、測定時間の長さ、使いにくさ、耐久性への懸念といったデメリットも存在します。これらの点を総合的に考慮すると、価格に見合うだけの価値があるかどうかは、ユーザーの優先順位によって評価が分かれるでしょう。特に、手軽さや多機能を求めるユーザーにとっては、コストパフォーマンスは低いと感じられるかもしれません。