Aning CA-700

本製品にはフィラメント切れを自動で検知し、印刷を一時停止する機能は搭載されていません。そのため、長時間の印刷を行う際には、フィラメントの残量に注意を払う必要があります。フィラメントが途中でなくなると、印刷が中断され、造形物が失敗する可能性があります。特に夜間など、目を離す時間がある場合は、事前にフィラメントの残量を十分に確認し、必要に応じて交換しておくことが重要です。この機能がないことで、フィラメントの無駄や印刷のやり直しが発生するリスクがあります。

本製品は停電復帰機能を搭載しており、印刷中に予期せぬ停電が発生した場合でも、電源が復旧した際に中断した箇所から印刷を再開できます。これにより、停電による造形物の失敗やフィラメントの無駄を防ぎ、時間を節約することが可能です。特に長時間の印刷を行う際に、この機能は非常に有用です。万が一の電源トラブルにも対応できるため、安心して印刷を進めることができます。この機能は、初心者にとっても大きな安心材料となるでしょう。

本製品には自動ベッドレベリング機能は搭載されていません。印刷プラットフォームとノズルの距離調整は手動で行う必要があります。スタッフレビューにも「Z軸の高さが電源を入れた時の高さで0と認識されるようなので電源を入れたら必ず最初に『AXIS HOME』にて高さを0に戻した方がいい」との記載があり、手動での調整が重要であることを示唆しています。正確なレベリングは印刷品質に直結するため、初心者の方は慣れるまで調整に手間取る可能性があります。毎回安定した印刷結果を得るためには、慎重な手動調整が求められます。

本製品の印刷プラットフォームには加熱機能（ヒートベッド）がありません。そのため、造形材料がベッドに定着しにくい場合があり、特に印刷物の反りや剥がれが発生しやすくなる可能性があります。製品情報には「印刷プラットフォーム：加熱なし」と明記されており、対応フィラメントも「専用PLAフィラメント」に限定されています。PLAは比較的反りにくい素材ですが、それでも定着不良が起こる可能性はあります。ABSやPETGなど、ヒートベッドが必須となるフィラメントは使用できません。

本製品はタッチパネルではなく、ノブ操作の0.91インチOLEDスクリーンを搭載しています。これにより、印刷プログレスや印刷時間、温度などの関連情報を確認できますが、設定変更や操作はノブを回して選択・決定する形式となります。直感的なタッチ操作に慣れているユーザーにとっては、やや操作に手間を感じるかもしれません。しかし、シンプルな機能に絞られているため、基本的な操作で迷うことは少ないでしょう。初心者や子供でも扱いやすいように配慮されたインターフェースと言えます。

本製品には、印刷前に造形物の形状をスクリーン上でプレビューする機能は搭載されていません。TFカードにGcodeファイルを保存して印刷する形式のため、PC上のスライサーソフトウェアで事前にモデルを確認する必要があります。プリンター本体のOLEDスクリーンは、印刷状況や温度などの情報表示に特化しています。造形前に完成イメージをプリンター側で確認できないため、設計ミスや不具合の早期発見はPC上で行う必要があります。この点は、より高度な機能を持つプリンターとの違いとなります。