ヘリーハンセン フィヨルドランド28

このリュック本体には、生地に撥水加工が施されているとの具体的な記載はありません。ただし、ボトム部分に内蔵されたレインカバーを使用することで、急な雨や悪天候時にはバッグ全体を覆い、内部への水の侵入を効果的に防ぐことができます。本体だけで完全な防水・撥水性を期待するのではなく、付属のレインカバーを活用することが前提となるモデルです。特に雨天時や水辺での使用を想定する場合は、レインカバーを装着することを推奨します。レインカバーは取り外し可能で、不要な際は収納できます。日常使いでの多少の水分には耐えうる可能性はありますが、浸水を完全に防ぐにはレインカバーが重要な役割を果たします。素材は600デニールのポリエステルオックスですが、この素材自体に強力な撥水性は通常ありません。

ショルダーハーネス（肩紐）のずれを防ぎ、体へのフィット感を高めるチェストベルトが装備されています。これにより、リュックの揺れを抑え、肩だけでなく胸元でも荷重を分散させることが可能です。荷物が重い時や、自転車に乗る際、あるいは長時間の歩行時など、リュックの安定性を高めたい場合に非常に役立ちます。体格に合わせてベルトの長さや装着位置を調整できるため、より快適な背負い心地を実現できます。特に、容量が大きい28リットルモデルでは、荷物が重くなることも想定されるため、このチェストベルトは体への負担軽減に貢献する重要な機能と言えます。アウトドアシーンだけでなく、日常の通勤・通学時にも、より安定して背負うことができるでしょう。

本製品には、ファスナーの開閉などによってメインコンパートメントの容量を増減できる拡張機能は搭載されていません。容量は固定の28リットルとなります。シンプルな1気室構造であり、荷物が増えた際に容量を一時的に増やしたいといった用途には対応していません。購入を検討される際は、普段持ち運ぶ荷物量や、旅行などでの使用シーンを想定し、28リットルという容量で十分かどうかを事前に確認することをおすすめします。容量拡張機能がない分、デザインは比較的シンプルで、形状が大きく変わることもありません。必要に応じてサブバッグなどを併用することで対応することも可能です。

リュックの背面や側面に、貴重品などを安全に収納できる隠しポケットは装備されていません。ポケットはフロントポケット、サイドメッシュポケット、そしてメインコンパートメント内部にオーガナイザー（フロントポケット内）があるのみです。財布やパスポート、スマートフォンなどの貴重品は、メインコンパートメント内のポケットや、他の荷物の中に収納する必要があります。防犯性を特に重視する場合や、頻繁に貴重品を取り出す必要がある場合は、他のバッグと比較検討するか、リュックインバッグなどで工夫することをおすすめします。シンプルな構造のため、隠しポケットのような機能は備わっていません。

このリュックには、バッグの外側からスマートフォンなどのデバイスを充電できる外部USBポート機能は搭載されていません。モバイルバッテリーを使用して充電を行いたい場合は、一度リュックを開けて、内部にモバイルバッテリーを接続する必要があります。近年の多機能リュックに搭載されることのある機能ですが、フィヨルドランド28はよりベーシックな仕様となっています。移動中に手軽に充電したいといったニーズがある場合は、この機能がない点を考慮する必要があります。主に荷物を運ぶこと、そして基本的な快適性を重視した設計と言えるでしょう。

スーツケースのキャリーハンドルにリュックを固定できるキャリーオン機能は搭載されていません。背面にはキャリーバーを通すためのスリーブなどはありませんので、スーツケースと併用して移動する際は、背負うか、スーツケースの上に乗せて手で支える必要があります。出張や旅行でスーツケースをよく使う方にとっては、移動時の負担軽減という点で不利になる可能性があります。このリュックは主に単体での使用を想定した設計となっており、旅行バッグとの連携機能は備えていません。空港や駅などでスーツケースと同時に持ち運ぶ機会が多い場合は、他のモデルと比較検討することをおすすめします。

リュックの背面には、空気の通り道を確保するためのエアメッシュバックパネルが採用されています。HELLY HANSENの故郷ノルウェーの国旗を模した十字型のデザインが特徴です。このパネルにより、背中とリュックの間に隙間ができ、長時間の使用や暖かい季節でも背中の蒸れを軽減する効果が期待できます。完全に蒸れを防ぐわけではありませんが、通気性の低いフラットな背面パネルと比較すると、快適性は向上します。ただし、スタッフレビューには「背中の部分に固い素材が入っており、背中にフィットしない」という意見もあり、体型や荷物の量によってはフィット感や通気性の感じ方が異なる可能性もあります。基本的な通気性への配慮はされています。