1MORE ComfoBuds Z 寝ホン EH601-White

Bluetooth 5.0チップを採用し、蓋を開けるだけで自動ペアリングされるため、初期の接続設定は容易です。しかし、接続の安定性には重大な課題があります。スタッフレビューでは「Bluetoothが不安定すぎる」「すぐ隣に置いているのに接続できず、やっと繋がったと思ったら片方しか繋がらず、もう片方を接続しようとやっていると繋がっていた方も解除される」といった報告が複数あり、非常に不安定な状態が指摘されています。また、製品情報にも「睡眠専用イヤホンなので、内蔵のアンテナも普通のワイヤレスイヤホンより小さくて、例えば横向きに寝る時、接続信号は物理的に干渉されやすい」と明記されており、使用環境によっては接続が途切れやすいことを示唆しています。この不安定さは、快適な使用体験を著しく損なう可能性があります。

本製品のバッテリー持続時間は、イヤホン単体で2.5〜3.5時間、充電ケースを併用しても10〜14時間と、一般的なワイヤレスイヤホンと比較して短めです。最上位製品の連続再生時間6時間、充電ケース込み36時間と比較すると、大幅に劣ります。スタッフレビューでも「充電の持ちが悪いのがマイナス」という意見があり、特に一晩中音楽を聴き続けたいユーザーにとっては物足りない可能性があります。自動オフタイマー機能（30/60/90/120/150分）を活用することで、バッテリー消費を抑えることは可能ですが、長時間の連続使用には向いていません。定期的な充電が必須となります。

1MOREはオーディオ製品を手掛けるブランドとして一定の知名度がありますが、本製品の信頼性と保証に関しては懸念点が見られます。スタッフレビューでは「購入して1ヶ月、毎日使用してたわけではないですが急に右耳の方が聞こえなくなりました」「およそ6ヶ月の使用で左側が極小音化してしまいリセットしても再ペアリングしても直りません」といった耐久性に関する問題が報告されています。さらに、「公式のメアドに事象連絡してみましたが、1週間経ってもなんの返事も無し」というサポート体制への不満もあり、万が一の故障時に迅速な対応が期待できない可能性があります。製品の品質管理やアフターサービスにおいて改善の余地があると言えるでしょう。

本製品の防水性能については、商品情報およびスタッフレビューのいずれにも具体的な記載がありません。そのため、汗や雨に対する耐性は期待できないと判断されます。一般的なワイヤレスイヤホンにはIPX4程度の防滴性能を持つものが多いですが、本製品は睡眠用という用途に特化しているため、防水性能は考慮されていない可能性が高いです。運動中の使用や水濡れが想定される環境での使用は避けるべきでしょう。防水性能を重視するユーザーには適していません。

本製品は通話マイクを搭載しておらず、着信応答やハンズフリー通話には対応していません。製品概要にも「通話マイクなしで、着信応答することはできなくて、音楽やホワイトノイズを再生することしかできないです」と明記されています。そのため、通話品質を評価する機能自体が存在しません。オンライン会議や電話での通話にイヤホンを使用したい方には全く適さない製品です。あくまで音楽や環境音の再生に特化した設計となっています。

本製品は9,690円という価格帯で、睡眠用イヤホンとしての特化機能（超軽量、快適な装着感、環境音内蔵、物理ノイズ除去）を提供しています。この点ではユニークな価値がありますが、Bluetooth接続の不安定さ、バッテリー持続時間の短さ、通話機能の欠如、イヤホン本体での操作不可、そして耐久性への懸念といった基本的なワイヤレスイヤホンとしての機能制限が多いため、総合的なコストパフォーマンスは中程度と評価されます。特定の用途に特化しているため、そのニーズに合致すれば価値はありますが、多機能性を求めるユーザーにとっては価格に見合わないと感じるかもしれません。サポート体制への不満も考慮すると、購入には慎重な検討が必要です。