ZHIYUN MOLUS X100 COMBO LEDビデオライト

ZHIYUN MOLUS X100は、2700Kから6500Kまでの範囲で色温度を調整することができます。これにより、暖かみのあるタングステン光から、青みがかったデイライトまで、幅広い白色光を作り出すことが可能です。屋内の照明に合わせたり、屋外の自然光の色を再現したり、意図した雰囲気の色味を演出したりする際に役立ちます。特にBi-color機能は、様々な撮影環境に対応するために非常に基本的な機能であり、本製品はこの範囲内で十分に機能します。

ライブモードや音楽モードといった特殊効果モードを搭載しています。これらのモードを使用することで、雷やストロボ、炎の揺らめきといった特定の光のパターンをシミュレーションしたり、音楽のリズムに合わせて光を変化させたりすることができます。特に動画撮影において、シーンに合わせた臨場感のある照明効果を簡単に加えることができるため、映像表現の幅を広げたい場合に便利です。凝った演出を手軽に試したい場合に役立つ機能と言えます。

Bluetooth接続により、スマートフォンやタブレットにインストールした専用アプリ「ZY Vega」からライトをリモートで操作することができます。これにより、ライトが高い位置に設置されている場合や、複数のライトを操作する際に、その都度ライト本体に触れる必要がなくなり、撮影準備や撮影中の設定変更が非常にスムーズに行えます。明るさや色温度、特殊効果などを手元で簡単に調整できるため、撮影効率が向上します。ただし、スタッフレビューの中にはBluetooth接続の不安定さを指摘する声もあり、使用環境によっては注意が必要です。

付属の120W AC電源アダプターに加えて、COMBOモデルには専用のグリップバッテリーが付属しており、これを利用してバッテリー駆動が可能です。さらに、別売りのUSB-C PDケーブルと対応アダプターを使用することで、USB PDによる給電にも対応しており、合計3つの方法で電源を供給できます。これにより、電源コンセントがない屋外やロケ現場でも照明を使用できます。ただし、複数のスタッフレビューで付属バッテリーの故障が報告されており、バッテリー運用をメインで考えている場合は、バッテリーの信頼性やサポート体制を事前に確認することが重要です。

特許取得済みのDynaVort冷却システムを採用しており、ジャイロスコープモデリングラジエーターとFOCファンで構成されています。これにより、高出力ながらも効率的に熱を排出することで、ファンノイズを抑えつつ安定した動作を実現していると謳われています。完全に無音ではありませんが、通常の撮影距離であれば、動画撮影時の音声収録への影響は最小限に抑えられる設計です。高出力LEDライトとしては、静音性に配慮されている点は評価できます。

本製品は白色光の色温度調整（Bi-color）と特殊効果モードには対応していますが、RGBWWのようなフルカラーでの照明機能（赤、緑、青、その他の任意の色を作り出す機能）は搭載していません。背景に色をつけたり、特定のムードカラーで空間を演出したり、クリエイティブなカラーライティングを行いたい場合には、この機能がないため対応できません。主に正確な白色光や色温度調整が必要な撮影向けの製品となります。

専用アプリ「ZY Vega」を使用することで、複数の対応ZHIYUNライトを連携させ、グループ化して一括で制御することが可能です。これにより、複雑な照明セットアップを組む際に、それぞれのライトの明るさや色温度、エフェクトなどを手元でまとめて調整できます。複数のライトを使ったライティングを行う際に、効率的に全体のバランスを見ながら調整できるため、スムーズな撮影準備と進行に貢献します。