山善(YAMAZEN) 電気ケトル YKU-S1210J(B)

本製品は、万が一倒してしまった際にお湯が漏れ出るのを最小限に抑える構造を採用しています。具体的には、フタ裏面にシリコンパッキンを取り付けて注ぎ口への流路を塞ぐ工夫と、押している間だけお湯が出る「給湯レバー」を組み合わせることで、倒れた時に給湯レバーからお湯が勢いよく漏れるのを防いでいます。完全に密閉されるわけではないため多少漏れる可能性はありますが、一般的なケトルに比べ安全性が高められており、特に小さなお子さんやペットがいる家庭での使用において安心材料となります。

残念ながら、注ぎ口を完全にロックする専用の機能は搭載されていません。お湯を注ぐ際は取っ手にある給湯レバーを常に押し続ける必要があります。このレバーを離せば注ぎ口は閉まりますが、ケトル本体を持ち運ぶ際などに誤ってレバーに触れてしまうと、意図せずお湯が出てしまう可能性があります。湯こぼれ防止設計はありますが、レバー自体にロックがかかるわけではないため、取り扱いには注意が必要です。シンプルな操作性を優先した設計と言えます。

注ぎ口部分に湯垢などを取り除くためのフィルターは搭載されていません。そのため、水道水に含まれるミネラル成分が固まった湯垢が気になる場合は、定期的にケトル内部の洗浄を行う必要があります。フィルターがない分、注ぎ口の構造はシンプルですが、クリアなお湯を飲みたい方や、使用する水の硬度が高い場合は、こまめなお手入れが推奨されます。フィルターが付いている製品に比べ、湯垢が直接カップに入ってしまう可能性があります。

電源コードをケトル本体や電源プレートに巻き付けてすっきり収納できる機能は特に明記されていません。電源コードの長さは約1.0mです。電源プレートの底面に巻き付けられる構造になっている製品もありますが、本製品に関する情報はありませんでした。そのため、使用しない時は電源コードがそのままの状態になる可能性があります。キッチン周りをよりコンパクトに整理したい場合は、別途コードをまとめる工夫が必要になるかもしれません。

お湯が沸騰したことを知らせる機能は、自動電源オフという形で搭載されています。ケトル内の水が沸騰温度に達すると、本体の電源スイッチが自動的にオフになります。ランプの色が変わるなどの視覚的なお知らせや、特定の電子音による通知機能は特にありませんが、スイッチが切れることで沸騰完了を確認できます。この自動オフ機能は、電気の無駄を防ぐだけでなく、空焚き防止の点からも重要な基本的な安全機能です。