Blackview Wave8

6.56インチのIPSディスプレイは、画面サイズとしては十分で、動画視聴やウェブ閲覧時に見やすいサイズです。ただし、解像度がHD+（一般的な720p相当と推測される）であるため、最上位機種のFull HD+ディスプレイと比較すると、細かい文字や画像の鮮明さでは劣ります。発色や視野角は価格帯を考慮すればまずまずですが、高精細な表示を求めるユーザーには物足りないかもしれません。90Hzリフレッシュレートに対応している点は、スクロール時の滑らかさに貢献します。

Unisoc T606オクタコアプロセッサーと、実質4GB+8GB仮想メモリのRAM構成です。日常的なアプリの起動や切り替え、ウェブブラウジング、SNSの利用などは比較的スムーズに行えます。ただし、3Dグラフィックを多用するゲームや、複数のアプリを同時に立ち上げて行う高負荷な作業には処理能力が不足するため、動作が重くなったりカクついたりする可能性があります。仮想メモリ機能はマルチタスクを助ける側面もありますが、基本的なCPU性能や物理RAM容量がボトルネックとなる場面もあります。

5000mAhの大容量バッテリーを搭載しており、一般的な使い方であれば一日十分にバッテリーが持続します。電池持ちは良好で、頻繁な充電の必要性を感じにくいでしょう。充電機能は10Wの急速充電に対応しています。最上位機種のような高速充電には及びませんが、標準的な充電速度よりは速く、短時間でいくらかバッテリーを回復させることが可能です。大容量バッテリーと組み合わせることで、外出先での電池切れの不安を軽減します。

アウトカメラは13MPのメインカメラと8MPのサブカメラ（おそらくインカメラか深度/マクロなど）構成です。明るい場所であれば、日常のスナップ写真程度なら撮影できます。AIカメラ機能も搭載されていますが、画素数が控えめなため、高精細で描写力の高い写真を期待することは難しいです。特に暗所での撮影や、細かい部分の描写、ダイナミックレンジなどで最上位機種との差が出ます。記念写真や記録用としては十分ですが、写真撮影を趣味とする方や、高画質を求めるユーザーには物足りない性能です。

2万円台前半という低価格で、256GBの内蔵ストレージや5000mAhバッテリー、6.56インチ大画面といった、価格帯としては優れたスペックを備えています。特にストレージ容量の多さは特筆すべき点です。しかし、防水防塵やおサイフケータイといった国内ユーザーにとって重要な機能が非搭載であり、プロセッサー性能もエントリーレベルに留まります。また、耐久性やサポート体制への懸念も考慮に入れる必要があります。価格の安さを最優先し、特定の機能（大容量ストレージ）を重視するならばコスパは高いと言えますが、機能の網羅性や安定性を求める場合は価格相応の割り切りが必要です。