Weidmuller ワイドミュラー ワイヤーストリッパー STRIPAX 9005000000

本製品は、電線サイズに合わせて刃が自動でスライド調整される独自機構を搭載しています。これにより、0.08mm²から6mm²（一部10mm²）までの幅広いサイズの電線を、工具側での調整なしにストリップすることが可能です。様々な太さの電線を連続して作業する際に非常に便利で、作業時間の短縮につながります。ただし、スタッフレビューには0.08mm²のような極細線で被覆をしっかり掴めないという報告もあるため、対応下限サイズでの使用には注意が必要な場合があります。

被覆を剥く長さを設定するための線端ロケータ（長さ調整ストッパー）が付いています。これにより、複数の電線を同じ剥き長さに揃える作業が容易に行えます。一定の長さで効率よく作業を進めたい場合や、端子接続などで正確な剥き長さが求められる場面で役立ちます。また、上部のハンドルスイッチで、剥がした被覆を電線の先端に残す「中間ストリップ」モードに切り替えることも可能です。この中間ストリップ機能は、被覆くずの飛散を防ぐのに有効です。

本製品は電線のストリップ（被覆剥き）に特化した設計となっており、電線端子を圧着する機能は搭載していません。圧着作業を行う場合は、別途専用の圧着工具を用意する必要があります。機能を集約しないことで、ストリップ機能の性能と精度に重点を置いたモデルと言えます。圧着作業が必要な場合は、作業内容に合わせて別の工具を使い分ける必要があります。

本体の下部には、最大6mm²までの単線や撚り線を切断できるカッター機能が備わっています。ワイヤーストリップ作業の途中で電線を必要な長さに切りたい場合に、別のニッパーなどを持ち替える手間を省くことができます。とっさに電線をカットしたい場面などで便利ですが、あくまで補助的な機能であり、太いケーブルや頻繁な切断作業には専用のケーブルカッターの方が適しています。

本製品には、使用しない時にハンドルを閉じた状態で固定するためのロック機構（ストッパー）は搭載されていません。保管時や持ち運び時に意図せず刃が開いてしまう可能性があるため、収納時には刃先に注意が必要です。工具箱に入れる際や、安全な場所に置く際には、刃が開いた状態にならないよう配慮する必要があります。

電線から剥がした被覆くずを自動で収集する機能や、それを一時的に溜めておく機構は搭載されていません。ストリップ作業を行う際には、剥がされた被覆が作業場所に落ちるため、周囲が汚れないよう注意が必要です。特に多数の電線を連続して作業する場合や、クリーンな環境での作業時には、作業後または作業中に都度清掃を行う必要があります。シンプルな構造を重視した設計となっています。