カリタ(Kalita) ハイカットミル タテ型 61007

本製品の挽き刃は「グラインドタイプ」と記載されており、コーン式やフラット式といった一般的な臼式ミルとは異なります。これは豆をカットして粉砕する方式であり、一般的には臼式に比べて挽きムラが生じやすい傾向があります。しかし、本製品のレビューでは「挽き目が均一」「微粉が少ない」といった高い評価を得ており、その性能は非常に優れていることがうかがえます。特に「トンネルを掘るシールドマシンの刃のようなもの」という表現は、その独特な構造と高い性能を示唆しています。厳密にはコーン式・フラット式ではないため、その点を考慮したスコアリングとします。

本製品は、エスプレッソ用の極細挽きから中挽きまで対応できると評価されています。特に、極細挽きは非常に細かく挽くことが可能ですが、一部の家庭用エスプレッソマシンでは抽出圧が足りなくなるほどであるというレビューもあり、その調整幅の広さがうかがえます。しかし、具体的な粒度設定の段階数については商品情報に明記されていません。一般的な業務用ミルとしては十分な調整幅と細かさを備えていると考えられますが、段階数が不明なため、最高評価には至りませんでした。様々な抽出方法に対応できるポテンシャルは高いと言えます。

スタッフのレビューにおいて、「静電気が立ちにくい」という点がメリットとして挙げられています。コーヒー豆を挽く際に発生する静電気は、粉の飛び散りや容器への付着の原因となり、後片付けの手間を増やしますが、本製品ではその発生が抑えられるため、挽いた粉をスムーズに取り扱いやすいと考えられます。ただし、これは特定の機能として搭載されているというよりは、製品設計や素材による効果である可能性が高いです。静電気抑制は、特に微粉が発生しやすい場合に効果を発揮し、清掃の手間を軽減する上で非常に役立ちます。

本製品は78,800円と高価ですが、その価格に見合う、あるいはそれ以上の性能と耐久性を持っていると評価されています。特に、挽き目の均一性、味への影響、処理速度、静音性といった点で、多くのユーザーから「最高品質」の評価を得ており、上位機種と比較しても優位性が見られます。業務用レベルの性能を家庭で実現したい、あるいは長期間にわたって安定した性能を求めるユーザーにとっては、初期投資は大きいものの、結果的に満足度の高いコストパフォーマンスを発揮すると言えるでしょう。ただし、一般的な家庭用ミルとしては高価な部類に入るため、用途や頻度を考慮して検討することが重要です。