デロンギ エスプレッソ・カプチーノメーカー EC221R

本機には全自動ミルク泡立て機能は搭載されていません。その代わりに、本体側面に手動式のスチームノズルを備えています。このノズルを使って牛乳に蒸気を吹き付け、手動でフォームミルクを作ることができます。カプチーノ向けのきめ細かい泡を作ることは可能ですが、ラテアートに適したシルキーなミルクを作るには練習やコツが必要です。全自動のような手軽さはありませんが、自分でミルクを泡立てる工程を楽しみたい方には適しています。

本機は同時に2杯のエスプレッソを抽出することが可能です。付属のポルタフィルターには、1杯用と2杯用のフィルターが付属しており、2杯用のフィルターを使えば、一度の抽出でカップ2つに同時にエスプレッソを注ぐことができます。ご夫婦で朝食時に一緒に飲んだり、来客があった際などに便利です。ただし、これはエスプレッソ抽出に限られ、ミルクメニューを2杯同時に全自動で作る機能ではありません。

本機には、コーヒー抽出とは独立した温かいお湯の取り出し機能は搭載されていません。手動式のエスプレッソマシンでは一般的に非搭載の機能です。そのため、インスタントコーヒーや紅茶、お湯を使うスープなどを別に作りたい場合は、ケトルなどで別途お湯を用意する必要があります。本機はあくまでエスプレッソとそのアレンジメニュー（手動スチーム利用）に特化した設計となっています。

本機には、抽出前にカップを温めておくカップウォーマー機能は搭載されていません。エスプレッソは温度変化に敏感な飲み物なので、美味しく飲むためにはカップを温めることが推奨されます。この機能がない場合、抽出前に手動でお湯などでカップを温めておく一手間が必要になります。価格帯によっては省略されることの多い機能です。

本機は挽き豆やカフェポッドを使用するタイプのポンプ式エスプレッソマシンであり、コーヒー豆を挽いて内部で圧縮する全自動マシンにあるような「抽出ユニット」という構造は存在しません。コーヒー粉はポルタフィルターにセットして抽出します。そのため、抽出ユニットの脱着という概念がなく、この機能は搭載されていません。メンテナンスは主にポルタフィルターや水タンク、ドリップトレイの清掃が中心となります。

本機には、お好みのコーヒーの量や濃さ、温度などを細かく設定して記憶させておくプログラム設定機能は搭載されていません。抽出量などは手動でレバーを操作して調整するか、フィルターサイズ（1杯用/2杯用）によって決まります。抽出時間や湯量などの調整はユーザー自身で行う必要があります。シンプルな操作性を重視しているモデルと言えますが、自動での再現性やカスタマイズ性は全自動マシンに劣ります。