IWISS 同軸ストリッパー ワイヤーストリッパー 3C 4C 5C 同軸ケーブル用 TL-332（HT-332） [並行輸入品]

本製品には、挿入したケーブルの太さを自動で検知し、最適な力で剥くような高度な自動調整機能はありません。同軸ケーブルの規格（3C, 4C, 5Cなど）やRG規格（RG-58, 59, 62, 6, 6QS）に合わせて、内部のブロックの向きを手動で切り替えることで対応する方式です。したがって、VA線ストリッパーにあるような幅広い電線径に全自動で対応する便利さはありません。使用するケーブル規格に合わせて、正しくブロックを設定する必要があります。この手動設定が、一部のユーザーにとっては手間に感じられる可能性があります。

同軸ケーブルの被覆を剥く長さを複数段階で設定できる機能は備わっています。具体的には、カット幅を4mm、8mm、12mmの3種類に変更可能です。これにより、ある程度決まった長さに被覆を剥きたい場合に便利です。ただし、このカット幅の変更を行うためには、本体を分解して内部の部品の向きを組み替える必要があり、非常に細かい作業となります。取扱説明書（商品画像）をよく確認しながら、自己責任で行う必要があります。無段階やレバー操作で簡単に剥き長さを調整できる高機能モデルに比べると、調整の手間はかかります。

本製品は同軸ケーブルの被覆剥きと切断に機能を絞ったツールであり、同軸コネクタを取り付ける際に必要となる圧着端子をかしめる機能は一切搭載していません。したがって、ケーブル加工からコネクタ取り付けまで一連の作業を行う場合は、ストリップや切断はこの製品で行い、圧着作業は別途、同軸ケーブル用の圧着ペンチなどを用意して行う必要があります。複数の工具を使い分ける必要があるため、工具を一本に集約したいと考えている方には適していません。シンプルにストリップと切断のみを行いたい方向けです。

ワイヤーストリッパーとしての機能だけでなく、同軸ケーブルを必要な長さに切断するためのカッター機能を備えています。本体側面などに切断用の刃が設けられており、この一本で切断とストリップの両方の作業が可能です。これにより、作業中に別のニッパーやカッターを探す手間が省け、効率的に作業を進めることができます。ただし、あまり太い同軸ケーブルを切断する際には、それなりの力が必要になる場合があります。あくまで簡易的なカッター機能として捉えるのが良いでしょう。

使用しない時に本体が不意に開いたり、刃が露出したりするのを防ぐためのロック機構やストッパー機能は搭載されていません。本体は常に開いた状態のシンプルな構造となっています。このため、工具箱に無造作に入れると、他の工具に引っかかったり、指などを傷つける危険性があります。また、コンパクトに収納するために折りたたむといったこともできません。保管や持ち運びの際には、刃に触れないように注意が必要です。安全な保管のためには、専用のケースに入れるなどの工夫が必要かもしれません。

同軸ケーブルの被覆を剥いた際に出る、プラスチックなどの被覆の切れ端を受け止めるための収集ボックスや機構は搭載されていません。剥がされた被覆くずはそのまま作業場所に落下または飛び散ります。屋内で作業する場合や、電子機器の近くで作業する場合は、被覆くずが散乱してしまい、後片付けの手間が発生したり、機器に異物が入るリスクがあります。作業場所を汚したくない場合や、作業後の清掃の手間を省きたい場合は、下にシートを敷くなどの対策を行う必要があります。シンプルな構造を優先した設計と言えます。