Samsung 870 EVO 2TB (MZ-77E2T0)

このモデルは、AES 256ビットのハードウェア暗号化に対応しており、TCG Opal 2.0やMicrosoft eDrive (IEEE 1667)といった規格をサポートしています。OSのソフトウェア暗号化に比べてパフォーマンスへの影響が少なく、ドライブ単体で強力なセキュリティを確保できます。特にノートPCなど、持ち運びによる紛失や盗難のリスクがある環境で、データの機密性を高めるのに役立ちます。

コンシューマー向けSSDとしては、ある程度の電源喪失保護機能が搭載されていると考えられます。突然の停電などが発生した場合に、書き込み中のデータ破損リスクを軽減するための設計がなされています。ただし、エンタープライズグレードのSSDのように、専用のスーパーキャパシタなどを搭載した万全な保護機能ではありません。あくまでデータ破損リスクを低減する機能として捉えるのが良いでしょう。

SSDはHDDに比べて基本的に低消費電力ですが、このモデルも効率的な電力管理機能を備えています。特にアイドル状態や負荷の低い状態での消費電力を抑えることで、ノートPCなどに搭載した場合のバッテリー駆動時間の延長に貢献します。高性能でありながら、電力効率にも配慮された設計と言えます。

Samsungが提供する管理ソフトウェア「Samsung Magician」を使用することで、ドライブ内のデータをハードウェアレベルで安全かつ迅速に消去する機能を利用できます。物理的に破壊することなく、個人情報や機密性の高いデータを含むSSDを処分または譲渡する際に、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能です。

Samsung独自のDynamic Thermal Guard（動的熱保護）技術を搭載しています。これは、SSD内部の温度をリアルタイムで監視し、温度が設定値を超えそうになった場合に、一時的にパフォーマンスを抑制することで過熱を防ぐ機能です。これにより、特に長時間の高負荷作業時でもSSDが安全な温度範囲内で動作し、ドライブの信頼性と寿命を保護します。