ヒガシ ドライブレコーダー ミラー型 HM-030

フロントカメラは2K（360万画素）でソニーSTARVISセンサーを採用しており、夜間や暗い場所でもノイズの少ない鮮明な映像を記録できる点は評価できます。しかし、リアカメラは1080P（200万画素）であり、前後ともにフレームレートが28fpsと、より高画質で滑らかな映像を求める場合には物足りなさを感じる可能性があります。特に、高速で移動する物体の記録や、日本のLED信号機への対応においては、28fpsでは完全な記録が難しい場合も考えられます。日常的な記録としては十分な性能ですが、細部の鮮明さや動きの滑らかさでは上位モデルに一歩譲ります。

9.66インチのIPS液晶ディスプレイを採用しており、画面越しでも目に優しい設計です。HDR機能と独自のSuper Night Vision技術により、夜間や暗いトンネル、逆光時でも比較的明るく鮮明な映像を表示し、後方視界を確保します。しかし、ユーザーレビューでは、後続車のヘッドライトによる白飛びや、スモークガラス装着車での暗さ、さらには日中の映り込みが報告されており、完璧な視認性とは言えません。ミラーの角度調整で映り込みが解消されるケースもありますが、常に最適な視界が得られるわけではないため、使用環境によっては注意が必要です。

GPSが標準搭載されており、走行軌跡や速度情報を記録し、時刻も自動で修正されるため、万が一の事故の際に客観的な証拠として役立ちます。専用のWindows用再生ソフトも無償提供されるため、記録された情報を詳細に確認できます。Gセンサーも搭載されており、衝撃を検知した際には自動で映像を保護します。また、HDR機能により、逆光やトンネルの出入り口など明暗差の大きい場所でも白飛びや黒つぶれを抑えた映像を記録できます。これらの主要な付加機能は備わっており、ドライブレコーダーとしての証拠能力を十分に高めています。

フロントカメラは付属のゴムバンドで純正ミラーに簡単に取り付けることができ、リアカメラも両面テープで設置可能です。リアカメラケーブルは8mと余裕があり、大型車やミニバンでも配線に困ることは少ないでしょう。シガープラグコードによる電源供給で、専門知識がなくてもDIYでの取り付けが比較的容易に行えるように設計されています。しかし、配線をより美しく隠すための特別な工夫（例：コネクタの集約や隠し機構）に関する具体的な情報が少ないため、車内の見た目を重視する場合には、別途工夫が必要になる可能性があります。

「ヒガシ」は日本の会社が企画・販売・サポートを行っており、日本人スタッフによるサポート体制や正規1年保証、30日間返品交換保証が提供されている点は安心材料です。ユーザーレビューでは、サポートの対応が丁寧であるとの評価も見られます。しかし、一方で「電源が入らない」「すぐに壊れる」といった初期不良や短期間での故障報告も複数あり、製品の品質安定性にはばらつきがある可能性が示唆されています。長期的な使用を考えると、この点の信頼性は慎重に評価する必要があります。

19,800円という価格帯で、前方2K高画質、ソニーSTARVISセンサー、GPS標準搭載、HDR機能、タッチパネル操作、そしてオプションながら駐車監視機能も備えている点は、コストパフォーマンスが高いと言えます。特に、夜間撮影性能を向上させるSTARVISやHDR、GPSによる正確な情報記録は、この価格帯の製品としては魅力的です。ただし、フレームレートが28fpsである点や、一部ユーザーから報告されている初期不良や耐久性の懸念を考慮すると、最高峰の性能を求めるユーザーには物足りないかもしれませんが、日常使いで基本的な機能を重視するユーザーにとっては、十分満足できる選択肢となるでしょう。