MSI SPATIUM M461 PCIe 4.0 NVMe M.2 2TB S78-440Q550-P83

2TBモデルの総書込容量（TBW）は450TBWと記載されており、これは一般的なPCユーザーやゲーマーにとって十分な耐久性を提供します。例えば、毎日約120GBを書き込んでも約10年間使用できる計算になります。5年保証も付帯しているため、日常的な使用におけるデータ破損のリスクは低く、安心して長期間利用できるでしょう。ただし、プロフェッショナルなヘビーライター用途では、より高TBWのモデルも検討の価値があります。

本製品はPhison社製E21Tコントローラを採用しており、PCIe 4.0 SSDとしてバランスの取れた性能を発揮します。メモリの種類は3D NANDですが、一部レビューではQLC NANDの採用が示唆されています。QLC NANDはTLC NANDと比較して、一般的に書き込み速度の持続性や耐久性（TBW）で劣る傾向がありますが、価格を抑えつつ大容量を実現しやすいというメリットもあります。日常的な用途やゲーミングにおいては十分な性能ですが、ヘビーな書き込み作業ではその特性を理解しておくことが重要です。

本製品のDRAMキャッシュの有無に関する直接的な情報はありませんが、一般的にPhison E21Tコントローラを搭載するSSDでは、DRAMキャッシュレス（HMB: Host Memory Buffer機能利用）の構成が多く見られます。DRAMキャッシュがない場合、特に多数の小さなファイルをランダムに読み書きするOSの起動やアプリケーションのロード時などに、一時的な速度低下が発生する可能性があります。それでも、PCIe 4.0の帯域幅とコントローラの性能により、体感速度は良好ですが、常に最高のランダムアクセス性能を求める場合は、DRAMキャッシュ搭載モデルと比較検討することをお勧めします。

PCIe 4.0 NVMe SSDは、その高速なデータ転送に伴い、動作中にかなりの発熱を伴うことがあります。本製品にはヒートシンクが標準で付属していないため、PCケースやマザーボードに備え付けのヒートシンクを使用するか、別途ヒートシンクを用意することを強く推奨します。適切な放熱対策を行わない場合、SSDの温度が上昇し、性能が低下する「サーマルスロットリング」が発生する可能性があります。特に長時間の高負荷使用を想定する場合は、十分な冷却環境を整えることが重要です。