DPVR DPVR E4

本製品は外部センサーを必要としないインサイドアウト方式を採用しており、本体内蔵の4つのカメラでユーザーの動きをトラッキングします。これにより、別途ベースステーションなどを設置する手間がなく、手軽にVR環境を構築できます。しかし、スタッフレビューではトラッキング精度やスイートポイントの狭さに課題が指摘されており、外部トラッキングのような高精度な動きの追従や広い範囲での安定したトラッキングは期待できない可能性があります。

パススルー機能に関する明確な記載は製品情報に見当たりません。VRゴーグルを装着したまま周囲の現実世界をカメラ映像で確認する機能は搭載されていない可能性が高いです。そのため、飲み物を取ったり、スマートフォンを操作したり、あるいは家族の呼びかけに応じたりする際には、VRゴーグルを一時的に外すか、フリップアップ機能を利用して視界を確保する必要があります。これにより、VR体験中に現実世界との行き来が必要な場面では、一時的に没入感が途切れることになります。

瞳孔間距離（IPD）は、専用ソフト「DPVR Assistant 4」にて調整可能と製品情報に記載されています。これにより、ユーザーの目の間隔に合わせてレンズ位置を最適化し、よりクリアで歪みの少ない映像を提供することが目的です。しかし、スタッフレビューでは「IPDも実質調整不能」との指摘があり、ソフトウェアでの調整が期待通りの効果を発揮しない、または調整範囲が限定的であるなど、実用性に課題がある可能性が示唆されています。このため、個人差によっては快適な視覚体験が得られない場合があります。

本製品は120Hzのリフレッシュレートに対応しており、滑らかな映像表示が可能です。しかし、このリフレッシュレートをユーザーが任意で調整できる機能があるかについては、製品情報に具体的な記載がありません。PC接続型VRヘッドセットの場合、通常はPC側のグラフィック設定でリフレッシュレートを調整できることが多いですが、本製品固有の調整機能の有無は不明です。そのため、常に120Hzで動作するか、またはPC側の設定に依存する可能性があります。

本製品には6DoFに対応するコントローラーが2つ同梱されており、VR空間内での操作は主にこれらのコントローラーを通じて行われます。コントローラーを使用せずに、素手でVR空間内のオブジェクトを操作するハンドトラッキング機能については、製品情報に記載がありません。このため、直感的な手の動きによる操作は期待できず、キーボード入力やジェスチャー操作など、より自然なインタラクションを求めるユーザーには不向きである可能性があります。

製品の比較表に「内蔵マイク」の記載があるため、ボイスチャット機能に対応していると考えられます。これにより、VR空間内で他のユーザーとリアルタイムで音声コミュニケーションを取ることが可能です。VRゲームでの協力プレイや、ソーシャルVRプラットフォームでの交流において、円滑なコミュニケーションをサポートします。内蔵マイクの音質に関する具体的な情報は記載されていませんが、基本的なボイスチャット用途には対応できるでしょう。