Pimax Crystal

Pimax Crystalは、標準で4つの外部カメラによるインサイドアウトトラッキングを搭載していますが、さらに高精度なトラッキングを求めるユーザー向けに、Lighthouse FacePlateとベースステーションを別途購入することで、アウトサイドイントラッキングに対応可能です。これにより、Valve Indexコントローラーなどの主流のPCVRコントローラーを使用できるようになり、より広い範囲での正確な動きの追跡や、将来的なフルトラッキングへの拡張も期待できます。ただし、ベースステーションの電源管理には工夫が必要となる場合があります。

Pimax Crystalにはパススルー機能が搭載されており、VRゴーグルを装着したままでも周囲の現実世界を確認できます。これにより、VR体験中に飲み物を取ったり、スマートフォンを操作したりする際に、ゴーグルを外す手間が省けます。しかし、このパススルー機能はモノクロ表示であり、解像度も高くありません。また、まだ開発中の機能であるため、インサイドアウトとアウトサイドインのトラッキング切り替え時にパススルーがオフになるなどの不具合が報告されています。現実世界を鮮明に確認するというよりは、一時的な状況確認のための補助機能として捉えるのが適切です。

Pimax Crystalは、自動IPD（瞳孔間距離）調整機能を搭載しており、ユーザーの瞳孔間距離に合わせてレンズの位置を自動で最適化します。これにより、常にクリアで歪みの少ない映像を体験でき、目の疲れを軽減します。VRゴーグルを装着するたびに自動で調整が起動するため、手動で設定する手間が省け、スピーディーに快適な視界を得られます。最適なIPD設定はVR酔いの軽減にも繋がるため、この自動調整機能は非常に重要な要素です。

Pimax Crystalは、ディスプレイのリフレッシュレートを72Hz、90Hz、120Hzの3段階で調整できる機能を備えています。これにより、ユーザーはプレイするコンテンツの種類やPCのグラフィック性能に合わせて、最適な表示速度を選択することが可能です。動きの激しいゲームでは120Hzに設定することで、より滑らかで残像感の少ない映像を楽しめ、VR酔いを軽減する効果が期待できます。一方で、PCの負荷を抑えたい場合や、動きの少ないコンテンツでは低いリフレッシュレートを選択することで、安定した動作を維持できます。

Pimax Crystalの製品情報には、コントローラーを使わずに手だけでVR空間を操作するハンドトラッキング機能に関する明確な記載がありません。標準のPimax Crystalコントローラーや、オプションのLighthouse対応コントローラーを使用することが前提とされています。そのため、現時点ではハンドトラッキング機能は搭載されていないと判断されます。この機能は、より直感的な操作や、コントローラーを持たずにVR空間で作業を行いたい場合に有用ですが、本製品では別途コントローラーが必要となります。

Pimax Crystalには内蔵イヤホンが付属しており、音声出力に対応しています。VRゴーグルには通常、ボイスチャット用のマイクも内蔵されていることが一般的であり、製品概要にも「最新のオーディオシステム」と記載があるため、ボイスチャット機能も利用可能と判断されます。これにより、VRゲーム内で他のプレイヤーとコミュニケーションを取ったり、VR会議に参加したりすることが可能です。ただし、マイクの音質やノイズキャンセリング性能については詳細な情報が記載されていません。