Audio Technica AT-LP60X RD

本製品はフルオート機能を搭載しており、スタートボタンを押すだけでレコードの再生から停止、アームの自動帰還までを自動で行います。これにより、レコードの扱いが不慣れな初心者でも安心して使用でき、針やレコードへのダメージを軽減できます。再生終了後にアームが自動で戻るため、レコードを放置してしまう心配もありません。ただし、一部のレビューでは、長期間使用するとアームの動作に不具合が生じる可能性が指摘されており、耐久性には注意が必要です。

本製品は33 1/3回転と45回転の切り替えには対応していますが、回転速度を微調整する機能は搭載されていません。この機能は、レコードの音程がわずかにずれている場合に正確な速度に調整するために使用されますが、エントリーモデルである本機には省略されています。一般的なレコードを聴く分には問題ありませんが、音程のずれに敏感な方や、古いレコードを多く所有している方にとっては、この機能がないことが気になるかもしれません。

本製品には針圧調整機能が搭載されていません。針圧はレコード針がレコード盤の溝にかかる圧力のことで、これを適切に調整することで音質向上やレコード・針の摩耗軽減に繋がります。本機は工場出荷時に最適な針圧に設定されていると推測されますが、ユーザーが自由に調整することはできません。これにより、異なるカートリッジへの交換や、よりこだわった音質調整を行うことは難しいでしょう。入門機としては手軽ですが、音質を追求したい方には物足りない可能性があります。

本製品（AT-LP60X RD）にはBluetooth送信機能は搭載されていません。ワイヤレスでスピーカーやヘッドホンに接続して音楽を楽しみたい場合は、別途Bluetoothトランスミッターなどの機器を用意する必要があります。オーディオテクニカからはBluetooth対応モデル（AT-LP60XBTなど）も販売されていますが、本機は有線接続に特化しています。配線を気にせず自由にリスニングしたい方にとっては、この機能の欠如が選択のポイントとなるでしょう。

本製品にはUSB録音機能は搭載されていません。お気に入りのレコード音源をデジタルデータに変換してパソコンに取り込んだり、スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーで持ち歩いたりすることはできません。レコードの音源をデジタルアーカイブしたい場合は、別途USBオーディオインターフェースや、USB録音機能付きのレコードプレーヤーを検討する必要があります。純粋にアナログレコードの再生を楽しむための機能に絞られています。

本製品にインシュレーターが搭載されているという明確な記載はありません。インシュレーターは外部からの振動を吸収し、音質への影響を軽減する役割がありますが、エントリーモデルでは簡素化されているか、搭載されていないことが多いです。設置環境によっては、外部振動が音質に影響を与える可能性があるため、気になる場合は別途オーディオ用のインシュレーターを導入することを検討しても良いでしょう。