SunFounder RasPad3.0

本製品は10.1インチの静電容量式タッチパネルを搭載しており、指で直接画面を操作できます。Raspberry Pi OSなどのGUI環境において、マウスなしでアイコンのクリックやドラッグ、スワイプなどが可能です。これにより、タブレットライクな感覚でラズパイを操作でき、設置場所を選ばず手軽に利用できる点が大きなメリットです。特に簡単な操作や設定変更、ウェブ閲覧などの用途で快適な操作性を発揮します。Piの設定やOS側の対応によってはマルチタッチ操作も可能です。マウスやキーボードの使用を減らしたい場合や、組み込み用途などでタッチ操作が重要な場合に非常に役立ちます。

このモニターは、接続したRaspberry Pi 4B本体に対して電源を供給する機能は備えていません。RasPad 3.0本体の電源は付属のACアダプター（またはバッテリー）から供給されますが、Raspberry Pi 4Bを動作させるためには、Pi本体のUSB-Cポートに別途電源アダプターを接続する必要があります。そのため、システム全体を動作させるには少なくとも2つの電源接続が必要になります（モニター用ACアダプターとPi用ACアダプター、またはモニター用ACアダプターとPi用モバイルバッテリーなど）。電源周りをシンプルにまとめたい場合や、ケーブルの本数を極力減らしたい場合には、別途Pi本体への給電方法を検討する必要があります。

本製品にはステレオスピーカーが内蔵されており、Raspberry Pi 4BからHDMI経由で出力される音声信号を再生できます。これにより、別途外部スピーカーを用意することなく、動画コンテンツの視聴、音楽再生、システムサウンドの確認、音声ガイダンスを含むプロジェクトなど、音声出力が必要な用途に手軽に対応できます。ポータブルな環境で手軽に音を出したい場合に非常に便利です。音質については過度な期待はできませんが、一般的なシステム音や簡易的なマルチメディア用途には十分実用的です。静かな環境であれば、スピーカー単体で音声を楽しむことができます。

本製品はRaspberry Pi 4Bを内部に収納して一体化する専用ケースとして設計されているため、一般的なモニターアームや壁掛け金具を取り付けるためのVESAマウント用のネジ穴は搭載していません。そのため、設置は付属のスタンドを使用するか、平らな場所に置く形になります。デスク周りでモニターアームを使用してスペースを有効活用したい場合や、壁に固定してデジタルサイネージのように使用したい場合には、本製品は適していません。標準的なモニターのようにVESAマウントによる柔軟な設置方法を必要とする場合は、他の製品を検討する必要があります。

本製品の最大の特徴の一つとして、Raspberry Pi 4Bを内部の専用スペースに収納し、モニターとPi本体を一体化できる専用ケースが付属しています。このケースにPi 4Bを組み込むことで、バラバラだったコンポーネントがコンパクトにまとまり、持ち運びや設置が非常に容易になります。Pi本体や接続されたケーブルを物理的な衝撃や埃から保護する役割も果たします。また、GPIO端子やSDカードスロットなどがケース外部に延長されるなど、一体化後も主要ポートにアクセスしやすいように工夫されています。これにより、ポータブルなラズパイ環境を手軽に構築できます。

このモニターには、周囲の明るさを感知して画面の輝度（明るさ）を自動的に調整する機能は搭載されていません。画面の明るさは、モニター本体のボタンやOSの設定メニューから手動で調整する必要があります。頻繁に異なる明るさの環境（例: 屋内と屋外、昼と夜）で利用する場合や、常に最適な明るさで画面を見たい場合には、使用環境に合わせて手動で明るさを調整する手間が発生します。目の負担を軽減したい場合や、省エネ運用を目指す場合は、手動でのこまめな調整が必要になります。