Neumann TLM 103 MONO SET

TLM 103はカーディオイド（単一指向性）マイクであり、指向性を変更する機能はありません。カーディオイドマイクは、マイクの正面からの音を最も良く拾い、背面からの音を遮断する特性があります。これにより、周囲のノイズを抑え、目的の音源をクリアに録音できます。ボーカル録音や楽器の収音に適していますが、複数人での会話録音には不向きです。指向性を変えたい場合は、別の指向性を持つマイクを使用するか、録音後にソフトウェアで調整する必要があります。

TLM 103にはハイパスフィルター機能は搭載されていません。ハイパスフィルターは、低音域のノイズをカットし、よりクリアな音質で録音するために使用されます。ポップノイズやエアコンのノイズなど、不要な低周波ノイズを軽減したい場合は、別途ハイパスフィルターを使用するか、録音後にソフトウェアで処理する必要があります。特に、ボーカル録音ではポップノイズが入りやすいため、ポップガードと合わせて使用することを推奨します。

TLM 103にはPAD（アッテネーター）機能は搭載されていません。PADは、大音量の音源を録音する際に、マイクの過大入力を防ぎ、音の歪みを抑えるために使用されます。ギターアンプやドラムなど、音圧の高い音源を録音する際は、オーディオインターフェースやミキサー側で入力レベルを調整する必要があります。過大入力による音の歪みを防ぐために、事前にテスト録音を行い、適切な入力レベルを設定することが重要です。

TLM 103にはショックマウントは内蔵されていませんが、付属品としてEA4エラスティックサスペンションが同梱されています。ショックマウントは、マイクに伝わる振動を軽減し、クリアな音質での録音をサポートします。外部からの振動がマイクに伝わりやすい環境では、ショックマウントの使用を推奨します。特に、レコーディングスタジオや、振動が多い場所での使用には、ショックマウントが不可欠です。

TLM 103は、レコーディングマイクのレジェンドであるU87Aを踏襲したラージダイアフラムカプセルを搭載しています。このカプセルは、広いダイナミックレンジと優れたトランジェント特性を持ち、原音に忠実な高音質を実現します。特に、ボーカル録音においては、その自然でクリアなサウンドが評価されています。専用設計のカプセルにより、他のマイクでは得られない、プロフェッショナルなサウンドクオリティを提供します。

TLM 103はアナログ出力のみに対応しており、デジタル出力機能は搭載されていません。デジタル出力を使用する場合は、別途オーディオインターフェースが必要になります。オーディオインターフェースを使用することで、TLM 103の高音質を最大限に活かしたデジタル録音が可能になります。XLRケーブルでオーディオインターフェースに接続し、PCなどのデジタル機器に接続して使用します。