ロブテックス(エビ) ケーブルストリッパー 8~28mm CS28

このロブテックスCS28は、ケーブルにフックを引っ掛け、手動で本体を回転させて被覆を剥くタイプのワイヤーストリッパーです。そのため、ケーブルの太さを自動で判別し、最適な力でストリップする機能は搭載されていません。剥くケーブルの直径（8mm～28mmの範囲）に合わせて、刃の食い込み深さを調整ネジで手動で設定する必要があります。様々な太さのケーブルを次々に剥く作業には、都度調整が必要なため時間がかかる可能性があります。しかし、特定の決まった太さのケーブルを扱う場合には、一度調整すれば続けて作業しやすいでしょう。自動調整機能がない分、構造がシンプルで故障しにくいという側面もあります。

被覆を剥く長さを一定にするための目盛りが付いていたり、長さを固定するストッパーのような機能は、本製品には搭載されていません。被覆を剥く長さは、ケーブルに刃をセットする位置や、回転させる回数、角度などをユーザー自身が調整することで決めることになります。複数の電線を同じ長さに揃えて剥きたい場合や、コネクターへの接続などで正確な剥き長さが必要な作業では、目視で確認しながら慎重に行う必要があります。毎回同じ長さに剥くためには、ある程度の慣れや経験が求められます。長さ調整機能がないため、迅速に多数の電線を一定長さに剥く作業には不向きと言えますが、DIYなど occasional な使用であれば大きな問題にはならないでしょう。

このワイヤーストリッパーは、電線の被覆剥きに特化したツールです。電線に端子を取り付けて圧着する（かしめる）ための機能は備わっていません。電気配線作業では、被覆剥きに続いて端子圧着が必要になることが多いですが、本製品で被覆を剥いた後は、別途専用の圧着工具を用意する必要があります。多機能なモデルではストリップと圧着の両方ができるものもありますが、本製品は機能を絞ることで、本体サイズをコンパクトに抑え、被覆剥きに特化しています。それぞれの作業に専用工具を使うことで、より確実で精度の高い作業ができるという考え方もあります。

電線を必要な長さに切断するためのカッター機能は、本製品には搭載されていません。電線をカットする場合は、ニッパーや電工ナイフなど、別の適切な切断工具を別途使用する必要があります。ワイヤーストリッパーとカッターが一体になった工具は、工具の数を減らせて便利ですが、本製品はストリップ機能に特化しています。これにより、ストリップ刃が切断用途で酷使されることによる劣化を防ぎ、被覆剥きとしての本来の切れ味を長く保つことが期待できます。作業内容によっては、切断と被覆剥きで工具を持ち替える手間が発生します。

使用しない時に工具が不意に開かないようにハンドルを固定するロック機構は、本製品には備わっていません。工具箱の中や腰袋に入れて持ち運ぶ際に、他の工具と絡まったり、開いてしまったりする可能性があります。刃がむき出しになるため、保管時や携帯時には怪我をしないよう十分に注意が必要です。他の工具と分けて収納したり、適切なケースやカバーに入れるなどの対策を講じることをおすすめします。ロック機構がない分、構造がシンプルで扱いやすいという利点はあるかもしれませんが、安全性や携帯性においてはロック機能付きのモデルに劣ります。

被覆を剥いだ際に発生する被覆の切れ端を自動で受け止める、または収集する機能は搭載されていません。作業を行うと、剥がした被覆くずが周囲に散らばります。特に屋内や精密機器の近くでの作業では、被覆くずが入り込まないよう注意が必要です。作業後は、必ず清掃が必要になります。被覆くず収集機能が付いているモデルは後片付けが楽になるというメリットがありますが、その分、本体が大きくなったり、収集部にくずが溜まってメンテナンスが必要になったりします。本製品はシンプルな構造のため、メンテナンスの手間は少ないですが、清掃の手間はかかります。