クニペックス クニペックス ケーブルストリッパー 135mm 1630135SB

本製品は、対応するケーブル径（6.0～29.0mm）に対して、手動で刃の切り込み深さを調整する方式です。自動でケーブル径を判断して最適な力でストリップする機能は搭載されていません。そのため、作業するケーブル径に合わせて都度、本体のナットを回して調整する必要があります。この手動調整により、幅広い種類の丸型ケーブルに対して、より細やかに設定を合わせることが可能ですが、異なる径のケーブルを連続して作業する場合は、調整の手間が発生します。特定の径のケーブルのみを大量に扱う場合は、自動調整機能付きのモデルの方が効率的な場合もありますが、本製品の切込み深さ調整機能は、様々なケーブルに対応するための重要な特徴と言えます。

ワイヤーの被覆を剥く長さを設定するための目安ゲージやストッパー機能は搭載されていません。被覆を剥く長さは、ケーブルを挿入する位置や剥き取り方の工夫によって調整する必要があります。これにより、任意の長さに柔軟に対応できますが、複数の電線を同じ長さに揃えてストリップしたい場合などは、定規などで長さを測りながら作業する必要があり、効率はやや低下します。一定の長さで大量に作業を行う場合は、目安ゲージ付きのモデルの方が便利に感じるかもしれません。本製品は、多種多様なケーブルに対して、作業者が長さを自由にコントロールすることを重視した設計と言えます。

本製品はケーブルの被覆剥きに特化したツールであり、電線に端子を取り付ける圧着（かしめ）機能は搭載していません。圧着作業を行う場合は、別途専用の圧着工具を用意する必要があります。ワイヤーストリッパーと圧着工具が一体になった多機能ツールもありますが、本製品はストリップ機能の性能と対応範囲に重点を置いた単機能設計です。これにより、本体の構造がシンプルになり、軽量コンパクト化やストリップ性能の向上に繋がっています。圧着作業が必要な場合は、目的の端子に対応した適切な圧着工具を別途ご用意ください。

電線を切断するためのカッター機能は搭載されていません。電線を必要な長さに切断するには、ニッパーや電工ナイフなどの専用の切断工具を別途使用する必要があります。ワイヤーストリッパーの刃は被覆を正確にカットするためのものであり、電線そのものを切断するようには設計されていません。ストリップ刃を切断に使用すると、刃が傷んだり精度が低下したりする原因となります。本製品はストリップ作業に特化することで、その性能を最大限に引き出す設計となっています。電線の切断が必要な場合は、作業内容に適した別の切断工具を併用してください。

本製品には、使用しない時に本体が開かないように固定する自動ロック機構付きレバーが搭載されています。この機能により、工具箱に入れて持ち運ぶ際や、引き出しに保管する際に、不用意に刃が開いてしまい怪我をするリスクを防ぎます。安全に収納・携帯できるため、現場への持ち運びや作業中の移動時にも安心です。使用する際はレバー操作で簡単にロックを解除できます。このロック機構は、工具の安全な取り扱いと保管に貢献する重要な機能です。

ワイヤーから剥がした被覆の切れ端を受け止めるための、被覆くず収集機能（集塵機能）は搭載されていません。作業時に被覆くずが周囲に散らばる可能性があるため、作業場所の養生や、作業後の清掃が必要になります。特に精密機器の近くやクリーンな環境での作業の場合は、被覆くずが入り込まないように注意が必要です。構造がシンプルなため、メンテナンスの手間は少ないですが、被覆くずの管理は作業者自身が行う必要があります。作業場所や環境に応じて、適切な対策を講じてご使用ください。