SONY リニアPCMレコーダー M10 レッド PCM-M10/R

本製品には、周囲の不要な音を自動で軽減し、人の声をクリアに録音する高度なAIノイズキャンセル機能は搭載されていません。ただし、ローカットフィルター機能は備わっており、低周波ノイズ（例えばエアコンの動作音など）を軽減することは可能です。しかし、そのカットオフ周波数が限定的であるため、幅広い環境ノイズに対応できるわけではありません。クリアな音声を録音するには、静かな環境を選ぶなどの工夫が必要です。

本製品には、音声を検知した時だけ自動で録音を開始し、無音状態が続くと一時停止する音声起動録音（VOX）機能は搭載されていません。録音を開始すると、無音状態でも録音は継続されます。そのため、録音データの容量を節約したい場合や、無駄な録音時間を避けたい場合は、手動での録音開始・停止操作が必要になります。長時間の会議などで、話者がいない時間を効率的に管理したい場合には、この機能がないことが不便に感じられるかもしれません。

本製品には、録音した音声の再生速度を速めたり遅くしたりする機能は搭載されていません。ただし、「キーコントロール機能」により、再生時の音程を半音ずつ上下6段階に調整することは可能です。これは、例えば歌の練習などで、自分の声のキーに合わせて伴奏のキーを変更したい場合に役立ちます。しかし、再生速度を調整して聞き取りやすくしたり、内容を素早く確認したりする用途には対応していません。

本製品には、あらかじめ設定した日時になると自動的に録音を開始するタイマー録音機能は搭載されていません。ラジオ番組の録音や、決まった時間に始まる講義などを自動で録音したい場合には、この機能がないため、手動での操作が必要になります。録音し忘れを防ぐための自動録音機能がない点は、注意が必要です。録音したいタイミングに合わせて、ご自身で録音を開始する必要があります。

本製品には、会議、講義、インタビューなどの録音シーンに合わせて最適な設定を自動で選択してくれる機能は搭載されていません。録音レベルやマイク感度（高/低）などは手動で設定する必要があります。ただし、アナログ録音ボリュームやピークメーター、ピークLEDなど、録音レベルを視覚的に確認しながら手動で調整するための機能は充実しています。そのため、ある程度の知識があれば、手動でも適切な録音設定を行うことは可能です。

本製品には、録音中に後から聞き返したい重要な箇所に目印（インデックスマーク）を付けられる「トラックマーク機能」が搭載されています。これにより、長時間の録音データの中から、会議の決定事項や講義の要点など、聞きたい部分を素早く探し出すことができます。この機能は、録音したデータを効率的に活用するために非常に便利です。手動でマークを付けられるため、重要なポイントを見逃すことなく記録できます。