デンサン ケーブルストリッパー ND-800

本製品は自動でワイヤー径を調整する機能は搭載していません。刃の深さを手動で設定し、工具を回転させることで被覆に切り込みを入れる方式です。様々な太さの丸形ケーブルに対応できますが、ケーブルの種類やサイズに合わせて刃の深さを適切に調整する必要があります。この調整には多少の慣れが必要で、誤った設定で作業すると芯線を傷つけるリスクがあります。

被覆を剥く長さを固定するストッパーやゲージといった機能は搭載されていません。ユーザーは目視や感覚で剥き始める位置を決め、剥きたい長さまで回転させて切り込みを入れる必要があります。このため、複数の電線を同じ長さに剥く作業では、仕上がりにばらつきが出やすい可能性があります。正確なストリップ長が必要な場合は、事前にマーキングするなどの工夫が必要です。

電線に端子を圧着するための機能は備わっていません。あくまでケーブルの被覆を剥がすことに特化した工具です。電線加工において圧着作業が必要な場合は、別途専用の圧着工具を用意する必要があります。被覆剥きと圧着を一本で済ませたい場合には不向きなモデルです。

電線を切断するためのカッター機能は搭載されていません。本製品の刃はケーブルの外周に沿って回転させ、被覆に切り込みを入れるための構造になっています。ケーブルを必要な長さに切る作業は行えません。切断作業にはニッパーやケーブルカッターなどの専用工具が別途必要となります。

工具を閉じた状態で固定するロック機構やストッパーは特に搭載されていません。回転式のシンプルな構造のため、使用しない時は刃が本体内部に収まる形になりますが、完全に固定されるわけではありません。保管や持ち運びの際は、刃部に不用意に触れないよう注意が必要です。特に工具箱の中で他の工具と一緒にする場合は注意しましょう。

被覆を剥がした際に発生するくずを収集するための機能や機構は搭載されていません。剥がされた被覆片はそのまま落下するため、作業場所の周囲に散らばります。作業後には、特に屋内の作業や精密機器の近くでの作業の場合は、被覆くずの清掃が必要となります。被覆くずの飛散が気になる場所での使用には注意が必要です。