マーベル(Marvel) ケーブルストリッパー MC-6014

本製品は、特定の太さの電線サイズ（14・22・38・60 mm2）に合わせて固定された穴に電線を差し込んで被覆を剥くタイプのストリッパーです。電線の太さを自動で判断して調整する機能は搭載されていません。そのため、作業する電線のサイズに合わせて適切な穴を選ぶ必要があります。様々なサイズの電線を扱う方にとっては、都度穴を確認する手間がかかる可能性があります。しかし、特定のサイズの電線のみを扱う場合には、シンプルで分かりやすい操作性と言えます。

被覆を剥く長さを一定に設定するためのストッパーやゲージといった調整機能は搭載されていません。商品情報には「ケーブルストッパー付き」と記載がありますが、これは恐らく電線を差し込む際に奥まで入りすぎないようにするためのもので、ストリップする長さを細かく指定できる機能とは異なります。そのため、被覆を剥く長さは、電線を差し込む深さや工具を握る加減、作業者の目視に依存します。複数の電線を同じ長さに剥きたい場合や、正確な剥き長さが必要な作業には不向きな場合があります。一定の長さで作業を繰り返すには、ある程度の慣れや技術が必要になるでしょう。

電線の被覆剥きに特化した製品であり、電線に端子を取り付けるための圧着機能は搭載されていません。圧着作業を行う場合は、別途専用の圧着工具を用意する必要があります。このストリッパー一つで被覆剥きから端子接続までを完結させることはできません。シンプルに被覆剥きのみを行いたい方や、すでに別の圧着工具を持っている方にとっては問題ありませんが、複数の工具を持ち歩きたくない方や、配線作業に必要な機能を一本にまとめたい方には不向きです。

電線を必要な長さに切断するためのカッター機能は搭載されていません。電線カットを行う際は、ニッパーや電工ナイフなどの別の工具が必要になります。被覆剥き作業と電線切断作業を同じ工具で行えないため、作業中に工具を持ち替える手間が発生します。これは、被覆剥き用の刃の劣化を防ぎ、ストリップ性能を維持するためと考えられます。電線切断の頻度が高い作業の場合、別途切断工具を用意する必要がある点を考慮する必要があります。

使用しない際にハンドルを閉じた状態で固定しておくためのロック機構（ストッパー）は搭載されていないようです。そのため、工具箱や腰袋に入れて持ち運ぶ際、不用意にハンドルが開いてしまう可能性があります。これは保管時や携帯時の安全性を損なう可能性がありますので、持ち運びや収納の際は注意が必要です。多くの固定穴式ストリッパーにはロック機能がない場合が多いです。刃がむき出しのままの状態になるため、他の工具や物品との接触にも気を配る必要があります。

被覆を剥がした際に発生する被覆の切れ端を受け止めるための収集機能（くず受けなど）は搭載されていません。そのため、作業時には被覆くずがそのまま地面や作業台に落ちます。屋内で作業する場合や、細かい部品が多い場所での作業の場合、作業後の清掃が必要になります。被覆くずが飛び散る可能性があるため、周囲の環境や服装に注意して作業を行う必要があります。構造がシンプルな分、掃除の手間は増えます。