エンジニア(ENGINEER) コンパクトストリッパー 電気工事士試験対応 低電圧/同軸/一般ケーブル用 PAWー21

このモデルは、ワイヤーの太さを自動的に判断して調整する機能は搭載していません。対応する電線の種類とサイズ（低電圧、一般電線、同軸ケーブル）は仕様で決まっており、それぞれのサイズに対して適切な位置で刃を当てる必要があります。様々な種類の電線に対応する汎用性の高い設計ですが、個々の電線に対する自動調整による利便性や高精度な剥き作業は期待できません。使用者自身がケーブルの種類とサイズを確認し、慎重に作業を行う必要があります。

被覆を剥く長さを測るための目安として、本体にミリとインチの目盛りが刻印されています。この目盛りを利用することで、ある程度狙った長さで被覆を剥くことができます。しかし、これはあくまでガイドであり、特定の長さに固定するためのストッパーや調整機構ではありません。複数の電線を全く同じ長さに揃えたい場合や、厳密な剥き長が必要な作業では、都度目盛りを確認しながら慎重に作業するか、別の方法で長さを測る必要があります。手軽な目安として使える機能です。

本製品は電線の被覆剥き作業に特化した単機能モデルであり、電線に端子をかしめる（圧着する）機能は搭載していません。端子の取り付け作業を行う場合は、別途専用の圧着工具を用意する必要があります。ワイヤーストリッパーとしての機能をシンプルにまとめることで、本体のコンパクトさや価格の手頃さを実現しています。圧着作業も頻繁に行う場合は、ストリッパーと圧着工具が一体になった複合工具や、それぞれの専用工具を揃えることを検討してください。

このモデルには、電線を切断するための専用の刃や機構は搭載されていません。電線を必要な長さに切る作業には、別のニッパーや電工ナイフを使用する必要があります。被覆剥き作業に特化させることで、刃の構造をシンプルにし、誤って芯線を傷つけるリスクを低減する意図があるかもしれません。切断機能付きのモデルに比べて、機能は限られますが、その分ワイヤーストリッパーとしての基本的な性能に集中した設計と言えます。作業内容に応じて他の工具との併用が必要です。

使用しない時にハンドルを閉じた状態で固定しておくためのロック機構は搭載されていません。刃を開いたまま、または半開きの状態で保管・携帯することになります。これにより、工具箱の中で他の工具と絡まったり、意図せず刃に触れて怪我をしたりするリスクがあります。持ち運びや保管の際は、刃先に十分注意するか、適切なケースに入れるなどの対策が必要です。ロック機構がないことで構造がシンプルになり、コストを抑えることができています。

被覆を剥いた際に発生する被覆くずを受け止め、散らばりを防ぐための収集機能は搭載されていません。被覆くずは作業場所の周囲にそのまま落下するため、作業を行う際は床や周辺への飛散に注意が必要です。特に屋内で作業する場合や、精密な機器の近くで作業する場合は、事前に養生を行うか、作業後にしっかりと清掃を行う必要があります。シンプルな構造のためメンテナンスは容易ですが、後片付けの手間は発生します。