ソニー(SONY) ICD-PX240

製品情報に音声起動録音（V-REC）機能に関する記載はありません。この機能は、音声に反応して自動で録音を開始・停止するため、会議などで無音部分が多い場合に無駄な録音を省き、メモリやバッテリーを節約するのに役立ちますが、本製品では手動での録音開始・停止が必要です。この機能がないため、特に無音が多い環境での録音には、後からの編集作業が必要になる可能性があります。シンプルな操作性を優先した設計と言えますが、効率的な録音という点では上位モデルに劣ります。

本製品にはノイズカットフィルター機能が搭載されています。これは、エアコンの音やプロジェクターのファンノイズなどの低い周波数の環境ノイズを軽減し、人の声などの必要な音声をクリアに録音するための機能と考えられます。会議室など、ある程度静かな環境での使用において、不要なノイズを抑制し、再生時の聞き取りやすさを向上させる効果が期待できます。完全に騒がしい場所でのノイズ除去能力は限定的かもしれませんが、価格帯を考慮すると、基本的なノイズ対策機能があることは評価できます。

本製品はデジタルピッチコントロールに対応しており、録音した音声の再生速度を調整する機能があります。これにより、早聞きで内容を効率的に確認したり、聞き取りにくい部分をゆっくり再生して詳細を確認したりすることが可能です。会議の議事録作成で聞き直す際や、語学学習でのリスニング練習などに便利な機能です。0.5倍速から2倍速まで調整可能で、音程を自然に保ったまま再生できるため、実用性の高い機能と言えます。この機能があることで、録音後の音声活用がスムーズに行えます。

製品情報にマーカー機能に関する記載はありません。マーカー機能は、録音中や再生中に重要なポイントに目印を付け、後からその場所に素早くジャンプできる便利な機能です。長時間の録音データの中から特定の情報を探し出す際に非常に役立ちますが、本製品にはこの機能がないため、重要な箇所を聞き返すには頭出しなどの手動操作が必要になります。会議の決定事項やインタビューの核心部分など、聞き逃したくないポイントを効率的に管理したい場合には不向きと言えます。

製品情報にシーンセレクト機能に関する記載はありません。シーンセレクト機能は、録音する状況（会議、講義、音楽など）に合わせて最適な録音設定（マイク感度やノイズリダクションなど）を簡単に選択できる機能です。この機能がないため、本製品では録音環境に合わせて手動で設定を調整する必要があるか、あるいは固定された設定で録音することになります。様々な環境で最適な音質で録音するには、ある程度の知識が必要となるか、あるいは環境によっては十分な音質が得られない可能性があります。簡単設定という点では機能が制限されます。

製品情報にmicroSDカードスロットに関する記載はありません。本製品は内蔵メモリのみで、外部のmicroSDカードによる容量拡張には対応していません。内蔵メモリは4GBであり、特に高音質モードでの長時間の録音には容量が不足しやすいため、頻繁に録音データをPCなどに転送して本体の容量を空ける必要があります。多くの録音データを本体に保存しておきたい場合や、容量を気にせず長時間録音したい場合には、この拡張性がない点は大きな制限となります。容量管理に注意が必要です。