NVIDIA Jetson Nano 開発者キット 945-13450-0000-000

本製品にはOSが書き込み済みのmicroSDカードは付属していません。ユーザー自身で別途microSDカードを用意し、NVIDIAが提供するJetpack SDKのイメージをダウンロードして書き込む必要があります。この作業は比較的簡単ですが、初めてシングルボードコンピュータを扱う方にとっては、OSの準備から始める手間がかかる点に注意が必要です。しかし、これにより最新のOSバージョンや必要なソフトウェア環境を柔軟に選択できるという利点もあります。

本製品には、ヒートシンクや冷却ファンといった冷却機構は標準では付属していません。Jetson Nanoは高性能なAI処理を行う際に発熱する可能性があるため、特に高負荷なワークロードを長時間実行する場合は、別途冷却ファンやヒートシンクを用意し、取り付けることを強く推奨します。ファンコネクタが用意されているため、市販のファンを容易に追加できますが、安定した動作を確保するためには冷却対策が必須となる点を理解しておく必要があります。

本製品はBluetooth機能を内蔵しており、ワイヤレスキーボードやマウス、その他のBluetooth対応デバイスとの接続が可能です。これにより、ケーブルの煩わしさを軽減し、より自由な環境で開発を進めることができます。ただし、Wi-Fi機能については製品情報に明記されていません。M.2 Key Eスロットが搭載されているため、別途Wi-Fi/Bluetoothコンボモジュールを追加することで無線LAN機能を利用することは可能ですが、標準では有線LAN接続が主なネットワーク接続手段となります。

リアルタイムクロック（RTC）およびそのバッテリーバックアップ機能については、製品情報に明記されていません。通常、このような機能がない場合、電源が切れるとシステム時刻がリセットされるため、起動時にネットワーク経由で時刻同期を行う必要があります。データロガーや、正確な時刻情報が常に求められる組み込みシステムを構築する際には、外部RTCモジュールの追加や、時刻同期メカニズムの実装を検討する必要があります。

本製品は、4つのUSB 3.0 Type-Aポートと1つのUSB 2.0 Micro-Bポートを搭載しており、複数の周辺機器を同時に接続できる高い拡張性を持っています。USB 3.0ポートは高速なデータ転送に対応しているため、外部ストレージや高速カメラなどのデバイスを接続する際に非常に有利です。キーボード、マウス、Webカメラ、USBメモリなど、様々なデバイスを接続できるため、デスクトップPCのような感覚で開発作業を進めることが可能です。

GPIO（汎用入出力）ピンは搭載されており、センサーやアクチュエータなどの外部デバイスとの連携が可能です。これにより、ロボット制御やIoTデバイスのプロトタイピングなど、幅広い電子工作プロジェクトに対応できます。しかし、GPIOピンの配置が色分けされているかについては、製品情報からは確認できません。初めてGPIOを扱うユーザーにとっては、ピンの役割を視覚的に把握しにくい可能性があるため、公式ドキュメントやコミュニティの情報を参照して正確なピン配置を確認することが重要です。