PlusQ(プラスキュー) コンプレッサー式ワインセラー53本用 DWC-053C

本モデルは湿度保持ユニット（加湿ユニット）を付属しており、ユニットに水を供給することで庫内の湿度をワイン保管に適したレベルに維持する機能があります。これにより、乾燥しやすい日本の室内環境でもコルクの収縮を防ぎ、ワインの酸化リスクを低減します。特に長期保管において湿度の維持は重要であり、この機能はワインの品質保持に役立ちます。手動での水補充が必要ですが、乾燥対策としては効果的です。

このワインセラーは庫内全体を一定温度に保つ単温度帯モデルです。庫内を複数のゾーンに分けてそれぞれ異なる温度を設定する多温度帯機能は搭載されていません。そのため、最適な保管温度が大きく異なる赤ワインと白ワイン、スパークリングワインなどを同時に長期保管する場合は、全てのワインにとって理想的な温度に設定することは難しい場合があります。特定の種類のワインを集中的に保管するか、頻繁に飲用するワインに合わせて温度設定を行う必要があります。

コンプレッサー式は構造上振動が発生しやすいですが、本モデルではその振動が庫内のワインに伝わるのを最小限に抑えるための設計が施されています。これにより、ワインの熟成を妨げる可能性のある振動ストレスを軽減します。ただし、スタッフレビューには運転音が気になるというコメントもあり、上位機種と比較すると静音性や振動抑制効果に差がある可能性も考慮する必要があります。一般的な使用においては十分な防振対策と言えます。

セラー内の温度が設定温度から4℃以上乖離した場合に、アラーム音によってユーザーに異常を知らせる機能を搭載しています。これにより、扉の閉め忘れや故障、急激な環境変化などによる温度異常に早期に気づき、大切なワインが温度ダメージを受けるのを防ぐことができます。温度管理はワイン保管において最も重要な要素の一つであるため、この異常通知機能は安心してワインを預ける上で非常に有用です。

扉にはUVカット率の高いガラスが採用されており、ワインの大敵である紫外線の侵入を90%以上遮断します。紫外線はワインの色や風味の劣化を引き起こす原因となるため、特にガラス扉のモデルでは重要な機能です。この機能により、リビングなど比較的明るい場所に設置した場合でも、光によるワインへのダメージリスクを低減できます。二重ガラス構造と合わせて、断熱性向上にも寄与しています。

本モデルには、庫内の空気を強制的に循環させたり、脱臭フィルターなどを使用して匂いを取り除く機能に関する明確な記載がありません。ワインは匂いを吸収しやすいため、食品や他の強い匂いがセラー内に持ち込まれると、ワインに移る可能性があります。定期的な庫内の清掃や換気、匂いの強いものを近づけないといった注意が必要です。専用の脱臭機能がない点は、特に長期保管においては留意すべき点です。