さくら製作所 二温度管理式ワインセラー SV155

本モデルの商品情報やメーカー説明、スタッフレビューには、庫内の湿度を自動または手動で調整する機能に関する記載がありません。ワインのコルクの乾燥を防ぎ、酸化リスクを低減するためには、一般的に60%～80%程度の適切な湿度が必要です。特に乾燥しやすい日本の室内環境では、湿度管理はワインの長期保管において温度管理と同様に重要となりますが、本モデルを使用する場合は別途加湿対策を検討する必要があります。この機能がない点は、長期熟成を目指すワインには不向きと言えます。

本モデルは上室と下室の二つの独立した温度ゾーンを備えており、それぞれ個別に5℃から22℃まで1℃単位で温度設定が可能です。これにより、赤ワインと白ワイン、スパークリングワインなど、種類によって最適な保管・提供温度が異なるワインを同時に、それぞれに適した温度で保管することができます。多様なワインコレクションを持つ方や、シーンに合わせて飲み頃温度でワインを提供したい方に非常に便利な機能です。二つの温度帯を完全に分けられるため、温度管理の自由度が高いモデルと言えます。

商品情報に直接的な「振動抑制機能」という名称の記載はありませんが、メーカー説明では「特別な制御」や「静音モード」、「ドアヒーター不要」といった記述があり、静音性への配慮がうかがえます。コンプレッサー式ワインセラーは冷却時に振動を伴いますが、これらの設計により、ワインに伝わる微細な振動を可能な限り抑制していると考えられます。完全に無振動ではありませんが、ワインの熟成に悪影響を与えうる振動を低減するための工夫がされていると期待できます。ただし、スタッフレビューでは「一昔前の冷蔵庫並」という声もあり、感じ方には個人差があります。

本モデルの商品情報やスペックには、庫内温度が設定値から大きく外れた場合や、ドアが長時間開いたままになっている場合などに、音や表示で異常を知らせる通知機能に関する記載が見当たりません。セラーの不調や設置環境の変化、ドアの閉め忘れなどによる温度異常が発生しても、すぐに気づけない可能性があります。温度の急激な変化はワインの品質劣化に直結するため、大切なワインを保管する上で、この機能がないことはリスクとなりえます。定期的に庫内温度を目視で確認するなどの注意が必要です。

扉にはLow-Eガラスが採用されていますが、ワインに有害な紫外線をカットする機能が明記されていません。Low-Eガラスは主に断熱性を目的としたガラスであり、紫外線カット効果は限定的である可能性があります。直射日光や強い室内の照明に含まれる紫外線は、ワインの色や風味に悪影響を与える「日光臭」の原因となります。窓際など光が当たる場所に設置する場合は、カーテンなどで遮光対策を行うことを強く推奨します。光による劣化を防ぐためには設置場所に十分配慮が必要です。

本モデルの商品情報には、庫内の空気を循環させたり、フィルターを通して匂いを取り除く脱臭機能に関する記載がありません。ワインは非常にデリケートであり、周囲の匂いを吸収しやすい性質があります。セラー内に食品や他の匂いのあるものを一緒に保管したり、設置場所の環境によっては、庫内に匂いがこもり、ワインに移ってしまうリスクがあります。ワイン本来の風味を損なわないためには、定期的にドアを開けて換気したり、庫内を清潔に保つ、匂いの原因となるものを近づけないなどの対策が必要です。