Raspberry Pi Raspberry Pi 3 Model B

本製品に搭載されている1.2GHzのクアッドコアARMプロセッサは、一般的なIoTプロジェクトやライトなデスクトップ用途には十分な性能を提供します。複数のタスクを同時に処理する能力があり、ウェブブラウジングやメディア再生もスムーズに行えます。しかし、最新のRaspberry Pi 4などに搭載されているCortex-A72ベースのプロセッサと比較すると、処理能力は劣ります。特に、機械学習の推論や高解像度動画のエンコードなど、より高い計算能力を要求される用途では性能不足を感じる可能性があります。

1GBのRAMは、多くの組み込みシステムや基本的なデスクトップ用途には十分な容量です。Raspberry Pi OS（旧Raspbian）を動作させ、ウェブブラウザで数タブ開いたり、Pythonスクリプトを実行したりする程度であれば問題ありません。しかし、複数の重いアプリケーションを同時に実行したり、大規模なデータ処理を行う場合には、メモリ不足に陥る可能性があります。特に、GUI環境で多くのアプリケーションを起動する場合や、メモリを大量に消費するサーバー用途では、より大容量のRAMが必要となるでしょう。

microSDカードをストレージとして使用します。これは手軽に交換でき、OSの入れ替えやデータのバックアップが容易という利点があります。しかし、microSDカードは一般的に読み書き速度がSSDに比べて遅く、高頻度なデータアクセスを伴う用途ではボトルネックとなる可能性があります。また、耐久性もSSDやeMMCに劣るため、長期間の連続稼働や頻繁な書き込みを行う用途では、故障のリスクが高まる点に注意が必要です。高速なストレージを求める場合は、USB接続のSSDなどを検討する必要があります。

4つのUSBポート、フルHDMI、802.11n Wi-Fi、Bluetooth 4.1、そして有線LANポートを搭載しており、多様な周辺機器との接続やネットワークへのアクセスが可能です。特にUSBポートが4つあるため、キーボード、マウス、USBメモリなどを同時に接続でき、デスクトップPCのような使い方もできます。Wi-FiとBluetoothの内蔵により、ワイヤレス環境での利用も容易です。ただし、USBポートはUSB 2.0規格であり、高速なデータ転送が必要な用途では速度が制限されます。また、有線LANも100Mbpsとギガビットイーサネットには対応していません。

1.2GHzクアッドコアプロセッサと各種ワイヤレス機能を搭載しているため、Raspberry Pi Zeroシリーズのような超低消費電力モデルと比較すると消費電力は高めです。しかし、一般的なデスクトップPCやノートPCと比較すれば非常に低く、常時稼働させるIoTデバイスや小型サーバー用途でも電力コストを抑えられます。バッテリー駆動のプロジェクトでは、バッテリー容量と稼働時間のバランスを考慮する必要がありますが、ACアダプターからの給電であれば問題なく利用できます。発熱もそれなりにあるため、高負荷時には適切な冷却対策が推奨されます。