ツノダ(Tsunoda) VVFストリッパー VAS-230

本製品はVVF線の特定のサイズ（1.6mmおよび2.0mm）に対応した固定式のストリップ穴を備えており、自動で電線径を判断して調整する機能は搭載していません。使用する電線サイズに合わせて適切な穴を選んで使用する必要があります。このため、多様なサイズの電線を扱う場合には都度スロットを確認する必要がありますが、VVF線の主要サイズに特化しているため、その用途においては迷いなく使用できます。

本体には、芯線被覆用（1mm単位）とケーブル外装用（1cm単位）の2種類のスケール（目安ゲージ）が簡易的に付いています。これを利用することで、電線をセットする位置を調整し、一定のストリップ長さを目安として再現することができます。精密な長さ調整機能ではありませんが、電気工事士技能試験などで要求される一定の剥き長さを揃える作業に役立ちます。

本製品は電線の被覆剥き、切断、のの字曲げに特化しており、電線に端子を圧着するための機能は搭載されていません。圧着作業を行う場合は、リングスリーブ用や棒端子用など、用途に合った別の専用圧着工具を用意する必要があります。多機能ではありませんが、VA線加工の基本作業に集中できる設計です。

VVFケーブルを切断するためのカッター刃が搭載されています。Φ1.6mmの2芯VVFケーブル、およびΦ2.0mmの3芯VVFケーブルまでを切断することが可能です（エコ電線対応）。これにより、ストリップ作業の前に必要な長さに電線を切断したり、作業中に余分な部分を切り落としたりする際に、別のニッパーなどを用意する手間が省け、利便性が向上します。

本製品には、使用しない際にハンドルを閉じた状態で固定するための明確なロック機構（ストッパー）に関する記載や機構は見られません。一般的なプライヤー形状のため、ハンドルは開いたままになります。工具箱に収納したり、持ち運んだりする際は、刃先が開いた状態になる可能性があるため、安全に注意して取り扱う必要があります。

電線の被覆を剥いた際に発生する被覆くずを自動で収集するための機構やボックスは搭載されていません。ストリップ作業時には被覆くずが作業場所に落ちたり、飛び散ったりするため、作業後の清掃が必要になります。精密な作業環境で行う場合は、被覆くずの飛散に注意が必要です。