アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) ワインセラー 32本収納 78L 12~18℃ ペルチェ式 庫内LED ミラーガラス PWC-781P-B

本モデルには、庫内の湿度を積極的に調整する機能は搭載されていません。ワインのコルクが乾燥すると縮んで密閉性が失われ、瓶内に空気が入り込んでワインが酸化する原因となります。特に乾燥しやすい日本の室内環境では、適切な湿度（理想的には60%～80%程度）を保つことがワインの品質維持に重要ですが、この機能がないため、外部環境に依存するか、手動での加湿対策（例えば、庫内に湿らせた布などを置く）が必要になります。長期保管には不向きと言えます。

このモデルは庫内全体で単一の温度設定（12℃～18℃）のみが可能です。赤ワインの保管やサービング温度としては適していますが、白ワイン（一般的に5℃～10℃）やスパークリングワイン（一般的に5℃前後）の保管には温度が適していません。複数の種類のワインをそれぞれ最適な温度で同時に保管したい場合は、別のワインセラーを用意するか、本モデルを特定の種類のワイン専用として使用する必要があります。多様なワインコレクションを持つ方には、温度管理の面で制約があります。

冷却方式にペルチェ式を採用しているため、コンプレッサー式に比べて駆動部分が少なく、動作中の振動が非常に少ないという特性があります。ワインは振動に弱く、振動が続くと澱が舞ったり、熟成に悪影響を与えたりする可能性があるため、振動が少ない環境での保管は重要です。ペルチェ式であること自体が、このモデルの振動抑制機能として働いており、静かにワインを保管できるという利点につながっています。ただし、冷却ファンなどによる微細な振動は発生する可能性があります。

庫内温度が設定範囲を大きく外れた場合や、扉が長時間開いたままになっている場合に、アラーム音やディスプレイ表示で警告する機能は搭載されていません。ワインの品質は温度変化に非常に敏感であり、予期せぬ温度上昇や下降はワインの劣化に直結します。この機能がないため、温度異常が発生してもすぐに気づくことが難しく、大切なワインの品質が損なわれるリスクがあります。温度管理の監視は、利用者自身で行う必要があります。

扉はミラーガラスを採用しており、見た目のデザイン性を高めていますが、ワインに有害な紫外線を効果的にカットする加工が施されているかどうかは明確な記載がありません。紫外線はワインの風味や色を劣化させる「日光臭」の原因となるため、特にガラス扉の場合はUVカット機能が重要です。本モデルを設置する際は、直射日光が当たる場所や強い照明の近くは避け、紫外線によるダメージリスクを最小限に抑える工夫が必要です。遮光性においては、UVカット機能付きのガラス扉やソリッド扉に劣る可能性があります。

庫内の空気を循環させたり、フィルターで不要な匂いを取り除いたりする脱臭機能は搭載されていません。ワインは周囲の匂いを吸収しやすい性質があるため、セラー内にこもった匂いや、外部からの匂いがワインに移ってしまう可能性があります。特に、セラーの設置場所の匂いや、セラー内部の清掃状態によっては、ワインの風味に影響を与えることも考えられます。庫内を清潔に保ち、強い匂いのするものと一緒に保管しないなどの注意が必要です。