象印マホービン(ZOJIRUSHI) NW-CA10-BA

このモデルは「圧力IH」方式を採用しており、炊飯中に最大1.3気圧の高圧力をかけます。この高圧力により、お米の内部までしっかりと熱が伝わり、でんぷん質がアルファ化しやすくなるため、お米本来の甘みや旨味が引き出され、ふっくらとした粘りのあるご飯に炊き上がります。特に、皮の硬い玄米なども、この圧力によってふっくら柔らかく炊き上げることが可能です。家庭で本格的な圧力炊飯の美味しさを楽しむことができます。

この炊飯器には、お米の産地や品種を指定して最適な炊き方を選択する「銘柄炊き分け機能」は搭載されていません。しかし、代わりに「49通りのわが家炊きメニュー」があり、前回食べたご飯の味の感想をアンケート形式で入力することで、水の量を変えずに炊き方を微調整し、ユーザーの好みに合わせた炊き上がりを実現します。これは銘柄炊き分けとは異なりますが、個々の好みに合わせた炊飯を可能にする機能です。

内釜には「鉄器コート黒まる厚釜」が採用されており、熱伝導率と蓄熱性に優れていますが、土鍋そのものを使用したり、土鍋特有の遠赤外線効果を最大限に引き出すような機能は搭載されていません。鉄器コートによりIH加熱との相性が良く、釜全体に熱を伝え、美味しいご飯を炊き上げますが、土鍋で炊いたような独特の風味や食感を期待する場合は、土鍋炊飯器の選択肢も検討すると良いでしょう。

「極め保温」機能により、最長40時間までご飯の保温が可能です。この保温システムは、ご飯の乾燥を防ぎ、炊きたてのようなふっくらとした食感と美味しさを長時間維持することを目指しています。保温中のご飯のパサつきを抑え、温め直しの手間を減らし、いつでも美味しいご飯を食べられるように工夫されています。象印ならではの長時間の保温技術と言えます。

この炊飯器は、お米を炊くことに特化した製品であり、パン生地の発酵や焼き上げを行う「パン発酵・焼き機能」は搭載されていません。パン作りを楽しみたい場合は、専用のホームベーカリーやオーブンレンジなどの調理家電をご利用いただく必要があります。このモデルは、あくまで美味しいご飯を炊くことに焦点を当てた設計となっています。

本製品には、ローストビーフやヨーグルト、温泉卵などを作るための「低温調理機能」は搭載されていません。低温調理には、食材を長時間のあいだ一定の温度に保つ精密な温度管理能力が求められます。この炊飯器は、炊飯・保温に最適化された温度制御システムを備えているため、調理用途での低温調理には対応しておりません。これらの調理をご希望の場合は、専用の低温調理器などのご検討が必要です。

このモデルには「蒸気セーブ」機能が搭載されており、炊飯時に発生する蒸気の量を抑える工夫がされています。これにより、キッチン周りへの蒸気の拡散をある程度軽減し、置き場所の選択肢を広げることができます。しかし、これは完全な「蒸気レス」や「蒸気カット」機能ではなく、炊飯中に蒸気が全く出なくなるわけではありません。そのため、設置場所によっては結露対策が必要になる場合があります。