TreasLin TreasLin キャプチャボード HSV3217

本製品はHDMIパススルー機能を搭載しており、入力した映像をほぼ遅延なく別のモニターに出力できます。これにより、ゲーム画面をプレイ用モニターに表示しながら、同時にPC側でキャプチャや配信を行うことが可能です。スタッフレビューでも「遅延のないHDMIパススルー」「パススルーはちゃんとできている」と評価されており、ゲームプレイの快適性を損なわずに録画・配信を行いたい場合に有用な機能です。ただし、PC上のプレビュー画面には遅延が発生するため、パススルー出力先モニターでのプレイが前提となります。この価格帯の製品でパススルー機能があるのは利点と言えます。

本製品はHDMI入力端子のみを搭載しており、コンポジット端子やS端子といったHDMI以外の映像入力には対応していません。そのため、古いビデオデッキや一部の旧型ゲーム機など、HDMI出力を持たない機器の映像をキャプチャすることはできません。入力はHDMIを持つ様々な機器（PS3/4/5、Xbox、Switch、PC、カメラなど）に対応していますが、「外部入力対応」として期待されるような幅広いアナログ入力への対応機能は本製品にはありません。HDMI機器からのキャプチャに用途が限定されるため、購入前に手持ちの機器の端子を確認する必要があります。

本製品の本体には、録画の開始・停止を物理的に操作できるボタンは搭載されていません。録画操作は、PCにインストールしたキャプチャーソフトウェア（OBS Studioなど）上で行う必要があります。ゲームプレイ中など、パソコンの操作がすぐにできない状況では、ソフトウェアでの操作が必要になるため、利便性がやや劣る可能性があります。本体ボタンでのワンタッチ録画機能を求める場合は、この製品には搭載されていない点に注意が必要です。操作はすべてPC経由となります。

本製品は3.5mmのマイク入力端子を搭載しており、マイクを直接接続して実況やナレーションの音声を同時に入力することが可能です。これにより、ゲーム映像や画面録画に自分の声を重ねた動画を作成できます。ただし、スタッフレビューでは「音はモノラルで記録される」という指摘があり、高品質なステレオ音声での録音が必要な場合は注意が必要です。また、ゲーム音とマイク音声など、複数の音声ソースを細かく調整したい場合は、別途ミキサーを用意する必要があるかもしれません。簡易的にマイク音声を入れたい場合には便利な機能です。

キャプチャーソフトウェア（OBS Studioなど）を使用することで、録画する映像の解像度やフレームレートを設定・選択することは可能です。ただし、本製品はハードウェアの性能に制限があるため、設定した通りの高画質や高フレームレート（特に1080p 60fpsやそれ以上）で安定して録画できるとは限りません。スタッフレビューでは「1920x1080の解像度で60fpsで録画してみたが、実質30fps」「YUY2は5fpsでの記録となる」といった指摘があり、設定可能な解像度やフレームレートがそのまま実際のキャプチャ品質に繋がらない場合があります。特に高解像度・高フレームレートを求める場合は、実際の性能制限を理解しておく必要があります。

本製品は、OBS Studioなど広く利用されているキャプチャーソフトウェアとの連携を前提として設計されています。PCに本製品を接続した後、ソフトウェアをインストール・設定することで、映像のキャプチャ、録画、ライブ配信が可能になります。スタッフレビューでもOBS Studioを使用した接続・設定方法が紹介されており、ソフトウェアを通じて詳細な設定や機能を利用できます。ソフトウェア連携はスムーズに行えるようですが、本体単体での録画機能などはなく、必ずPCとキャプチャーソフトウェアが必要になります。基本的な操作はソフトウェア側で行うことになります。