GeeekPi N16クアッドNVMe拡張ボードRaspberry Pi 5用

この拡張ボードは、Raspberry Pi 5本体や搭載するNVMe SSDの発熱を積極的に抑えるためのアクティブ冷却ファンを内蔵していません。そのため、動作中にファンによる騒音が発生することはありませんが、長時間の高負荷使用時にはSSDや基板が高温になる可能性があります。特に、複数のSSDを同時に使用する場合や、通気性のないケースに収納する場合は、SSDの性能低下（サーマルスロットリング）を防ぐために、別途SSD用ヒートシンクや小型ファンなどの追加冷却対策を検討することが強く推奨されます。

本製品は、SSDの熱を効率的に吸収・拡散させるための統合型ヒートシンクケース機能を持っていません。ボードは露出しているか、簡易的なケースに入っている状態と考えられ、SSDの発熱を効果的に抑える設計にはなっていません。そのため、長時間の高負荷作業ではSSDの温度が上昇し、性能低下を引き起こす可能性があります。SSDの安定動作と長寿命のためには、別途SSD用のヒートシンクを取り付けたり、放熱性の高い外部ケースを使用したりするなどの追加対策が不可欠です。静音性を重視する場合でも、熱対策は重要となります。

SSDの取り付けや取り外し作業を工具なしで行える「ツールフリーSSD換装機能」は、この拡張ボードには搭載されていません。M.2 NVMe SSDをボードに固定するには、一般的にM.2 SSD用の小さなネジを使用するため、SSDの交換や取り付けを行う際には、精密ドライバーなどの工具が必要となります。このため、SSDのセットアップや交換作業には、ある程度の時間と手間がかかることを想定しておく必要があります。初心者の方や、頻繁にSSDを交換するユーザーにとっては、やや不便に感じるかもしれません。

この拡張ボードは、Raspberry Pi 5に接続してNVMe SSDを増設するための内部用インターフェースカードであり、単体で外部ストレージリーダーとして機能する機能は搭載していません。増設したSSDを他のPCで利用したい場合は、別途SATA/NVMe to USB変換ケースなどを用意する必要があります。そのため、SSD内のデータを他のデバイスと共有したり、バックアップしたりする際には、追加のハードウェアが必要となり、データの移行や共有作業がやや煩雑になる可能性があります。

本製品には、内蔵されたM.2 SSDへのデータ読み込みや書き込みが行われている際に点滅して動作状況を視覚的に知らせるSSDアクセスLED表示機能は搭載されていません。そのため、SSDが現在アクティブに動作しているかどうかの確認は、OS上のファイルマネージャーやシステムモニターなどのソフトウェアを通じて行う必要があります。これにより、データ転送の完了確認やシステムの状態把握が、LEDインジケーターがない分、やや直感的ではなくなる可能性があります。特に、NASなどで常時稼働させる場合には、動作確認のために別途確認手段が必要になるかもしれません。