Stylophone スタイロフォン Gen X-2

本製品の演奏インターフェースはペンで金属板をタップ/なぞる形式であり、一般的な鍵盤シンセサイザーのようなベロシティ（鍵盤を叩く強さ）による音量変化機能は搭載されていません。音の強弱は、ノブ操作や表現ストリップによるフィルターやLFOの調整で間接的に表現することになります。よりダイナミックな音量表現を求める場合は、外部機器との連携や演奏テクニックで補う必要があります。

本製品には、一般的なシンセサイザーに搭載されているピッチベンドホイールやモジュレーションホイールは搭載されていません。しかし、鍵盤上部に配置された「表現ストリップ」がその代替機能として非常に優れています。このストリップは、指でなぞることでピッチ、フィルター、LFOの深さをリアルタイムで変化させることができ、ホイール機能と同様、あるいはそれ以上に直感的で表現力豊かな演奏を可能にします。

本製品はモノフォニック（最大同時発音数1音）のアナログシンセサイザーであるため、複数の音色を同時に重ねて演奏するレイヤー機能は搭載されていません。単一の音色を深く作り込み、その音色でメロディやベースラインを演奏することに特化しています。複数の音色を重ねて厚みのあるサウンドを構築したい場合は、本機を複数台用意するか、他のシンセサイザーやDAWと組み合わせて使用する必要があります。

本製品には、本体に音符やフレーズを記録・再生するシーケンサー機能は内蔵されていません。しかし、CV/Gate入出力端子を搭載しているため、外部のシーケンサーやDAWからCV/Gate信号を送ることで、本機を音源としてシーケンス演奏させることが可能です。また、本機から他のモジュラー機器をCV/Gateで制御することもできます。単体でのシーケンス作成はできませんが、外部機器との連携により、シーケンサーとしての役割を果たすことは可能です。

本製品には、アナログディレイが内蔵されており、音にエコー効果を加えることができます。Time（間隔）、Repeats（繰り返し回数）、Level（音量）の各パラメーターを調整することで、微妙なスラップバックエコーから広大なアンビエントサウンドまで、多彩な空間系エフェクトを直感的に作り出すことが可能です。このアナログディレイは、本機のアナログサウンドに深みと広がりを与え、より豊かな表現力を引き出す重要な要素となっています。

本製品は、USB-MIDIや従来のMIDI IN/OUT端子といったMIDIインターフェース機能は搭載していません。しかし、CV/Gate入出力端子を備えているため、モジュラーシンセサイザーや一部の外部機器とのアナログ信号による連携が可能です。PCやDAWとのMIDI連携を直接行いたい場合は、別途CV/MIDIコンバーターなどの機器が必要となります。MIDI規格に準拠した機器との接続を重視する場合は、この点に留意する必要があります。