オーディオテクニカ AT2050 コンデンサーマイク

本製品は、マイクの前面にあるスイッチで単一指向性、無指向性、双指向性の3つの指向性を簡単に切り替えることができます。単一指向性はマイクの正面の音を集中して拾い、周囲のノイズを低減するため、ボーカルや楽器のソロ録音に最適です。無指向性はマイクの周囲360度すべての音を均等に拾うため、複数人での会議や環境音を含めた録音に適しています。双指向性はマイクの前後からの音を拾い、左右からの音を遮断するため、対談やデュエットの録音に便利です。この機能により、様々な録音シーンに柔軟に対応できる高い汎用性を提供します。

本製品には、マイク背面にある-10dBのPADスイッチが搭載されており、入力される音量を10dB減衰させることができます。これは、大音量の楽器や声など、マイクに入力される信号が大きすぎて音割れしてしまう場合に有効な機能です。完全なゲイン調整ノブとは異なりますが、過大入力を防ぐための重要な調整機能として機能します。これにより、ダイナミックレンジの広い音源でも、歪みのないクリアな音声を録音することが可能になります。

本製品にはポップガード機能は内蔵されていません。メーカーの説明にも「別売りのポップフィルターAT-PF2を装着することで、歌唱時のポップノイズを効果的に低減」と記載されており、別途ポップフィルターを用意する必要があります。ポップノイズとは、歌唱時や発話時に「パ行」や「バ行」などの破裂音によって発生する耳障りなノイズのことで、これを防ぐためにはマイクと口の間にポップフィルターを設置することが非常に重要です。特にボーカル録音やナレーション、配信を行う際には、クリアな音質を保つためにポップフィルターの追加購入を強く推奨します。

本製品には専用設計のショックマウント「AT8458a」が付属しています。ショックマウントは、マイクを物理的な振動から隔離し、床や机からの衝撃音、マイクスタンドの操作音、キーボードの打鍵音などがマイクに伝わるのを防ぐための重要なアクセサリーです。これにより、不要な低周波ノイズやゴロつき音を大幅に軽減し、よりクリアでプロフェッショナルな音声収録を可能にします。特に宅録環境では、外部からの振動ノイズが問題になりやすいため、この専用ショックマウントの付属は非常に大きな利点となります。

本製品には、マイク背面にある80Hzローカットフィルタースイッチが搭載されています。この機能をオンにすると、80Hz以下の低周波成分を12dB/octで減衰させることができます。これにより、エアコンの稼働音、PCのファンノイズ、室内の反響音、床からの振動ノイズなど、録音には不要な低周波ノイズを効果的にカットし、ボーカルや楽器の音をよりクリアに際立たせることが可能です。特に、低音域が過剰になりがちな環境や、声の明瞭度を高めたい場合に非常に有効な機能です。

本製品には、マイク本体にヘッドホン端子を接続して録音中の音声を直接モニタリングするダイレクトモニタリング機能は搭載されていません。XLR接続のマイクであるため、この機能は通常、接続するオーディオインターフェースやミキサー側で提供されます。ダイレクトモニタリング機能がない場合でも、オーディオインターフェースを介して遅延なく自分の声や楽器の音を確認することは可能です。しかし、マイク単体で完結する手軽なモニタリングを求める場合は、別途オーディオインターフェースの機能を確認するか、USB接続でダイレクトモニタリング機能を持つマイクを検討する必要があります。