パナソニック(Panasonic) ICレコーダー RR-SR350-W

「ワンタッチ集音」機能により、周囲の音を聴き取りやすくすることができます。これは、周囲の雑音を積極的に除去するというよりは、特定の音源（人の声など）を強調し、聞き取りやすいように調整する機能です。高度なAIによるノイズキャンセリング機能はありませんが、簡易的な集音器としての利用や、騒がしい場所での録音補助として役立ちます。ただし、最新のAIノイズリダクションのような強力な効果は期待できません。

このICレコーダーには、音声に反応して自動録音を開始・停止する音声起動録音機能（VOX機能）は搭載されていません。そのため、録音中は常に録音状態となり、無音部分も記録されます。長時間の録音では、不要な部分の削除やデータ管理に手間がかかる可能性があります。より効率的な録音を求める場合は、この機能の有無を確認することをおすすめします。

録音した音声の再生速度を、0.7倍速の「遅聞き機能」と1.5倍速の「早聞き機能」で調整できます。これにより、聞き取りにくい部分をゆっくり再生して理解を深めたり、内容を素早く確認したい時に再生時間を短縮したりすることが可能です。語学学習の復習や、長時間の会議議事録の確認など、学習効率を高めるのに役立ちます。ただし、調整できる速度の幅は限られています。

このICレコーダーには、指定した時間に自動で録音を開始するタイマー録音機能は搭載されていません。ラジオ番組の録音や、決まった時間に始まる講義などを自動で記録したい場合には不向きです。録音したいタイミングは手動で操作する必要があります。タイマー録音機能が必要な場合は、他の機種を検討する必要があります。

このICレコーダーには、会議、講義、インタビューなど、録音シーンに合わせて最適な設定を自動で適用する録音シーン選択機能は搭載されていません。ユーザー自身で録音モードや設定を行う必要があります。ただし、ボタン配置がシンプルで、音声ガイド機能も搭載されているため、基本的な操作は比較的容易です。高度なシーン設定はできませんが、シンプルさを重視するユーザーには適しています。

録音した音声データに対して、再生中に手動で重要な箇所に目印（インデックスマーク）を付ける機能は搭載されていません。ただし、「日付検索機能」が搭載されており、録音した日付ごとにファイルを整理・検索することが可能です。これにより、目的の録音ファイルをある程度効率的に見つけることができますが、特定のポイントにピンポイントで印をつけたい場合には対応できません。