SAMSUNG MZ-76E2T0B/IT [2TB/SSD] 860 EVO

このSSDはAES 256ビットのハードウェア暗号化に対応しており、TGC OpalやIEEE 1667 (Microsoft eDrive) といったセキュリティ標準をサポートしています。これにより、OSの機能を使わなくても、SSD自体が保存するデータを自動的に暗号化してくれます。もしお使いのパソコンにパスワードを設定していれば、SSDが取り出されて別のパソコンに接続されても、中のデータは簡単には読み出せません。特にノートPCのように持ち運びが多く、紛失や盗難のリスクがある場合に、大切な個人情報や仕事のデータを守る上で非常に有効な機能です。

このSSDには、予期せぬ停電やACアダプターの抜け落ちなど、突然電源が切断された場合に書き込み中のデータが破損するリスクを軽減する機能が搭載されています。完全に保護できるわけではありませんが、コンデンサーなどを利用して一時的に電力を保持し、キャッシュ上のデータをNANDフラッシュに書き込むことで、データの一貫性を保つように働きます。作業中にパソコンの電源が落ちてしまった経験がある方や、データの損失を最小限に抑えたい方にとって、この機能があることでより安心してSSDを使用できます。

SSDはHDDに比べて消費電力が低いという特徴がありますが、さらに電力消費を抑えるための機能も搭載されています。SSDがアイドル状態（データの読み書きをしていない状態）や、アクセス頻度が低い時には、消費電力を減らすように動作します。特にバッテリーで動作するノートパソコンにこのSSDを搭載した場合、バッテリーの持ち時間を長くするのに貢献します。デスクトップPCの場合でも、省エネルギーに繋がる機能と言えます。消費電力を気にされる方や、ノートPCでの使用が多い方には嬉しいポイントです。

このSSDには、保存されているデータを物理的な破壊をせずに、ソフトウェア的に完全に消去する機能があります。Samsungが提供する管理ソフトウェア「Samsung Magician」を使うことで、このセキュア消去を実行できます。SSDを売却したり譲渡したりする場合、通常の削除やフォーマットだけでは専門的なツールを使えばデータが復元される可能性がありますが、セキュア消去を使えば復元がほぼ不可能になります。個人情報や機密情報が保存されたSSDを安全に処分したい場合に、非常に役立つ機能です。

SSDは高速に動作すると熱を発生します。特にコンパクトなPCケースや、連続して大きなファイルを扱うような高負荷な作業を行うと、SSDの温度が上昇することがあります。このSSDには「Dynamic Thermal Guard」という機能が搭載されており、ドライブの温度を常に監視しています。もし温度が危険なレベルに近づくと、一時的に性能を抑えることで温度の上昇を防ぎ、ドライブ本体を保護します。これにより、SSDが熱くなりすぎて故障したり、性能が極端に低下したりするのを防ぎ、安定した動作と製品寿命の維持に貢献します。