アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) ワインセラー 18本収納 47L PWC-502P-B

本モデルには湿度を自動で調整する機能は搭載されていません。ペルチェ式は構造上、庫内が乾燥しやすい傾向があります。梅雨時期など、外気湿度が高い環境下ではガラス面に結露が発生することもあるというレビューも見られます。ワインのコルク乾燥を防ぎ、長期保管に適した湿度（60～80%）を維持するためには、加湿トレーを置くなどの対策を手動で行う必要があります。特に乾燥しやすい日本の冬場や、長期保管を検討している場合は、この点が重要な考慮事項となります。湿度管理にこだわりたい方には不向きです。

庫内は上下2段に分かれており、それぞれ異なる温度設定が可能です（上段: 8℃～18℃、下段: 10℃～18℃）。これにより、例えば上段に白ワインやスパークリング、下段に赤ワインなど、種類によって最適な保管温度が違うワインを同時に保管できるという利点があります。ただし、設定できる温度範囲は限られており、またペルチェ式の特性から周囲温度の影響を受けやすく、特に夏場など外気温が高い環境では、設定温度を正確に維持することが難しい場合があります。この価格帯で多温度帯設定ができる点は評価できますが、温度安定性には限界があることを理解しておく必要があります。

冷却方式にペルチェ式を採用しているため、コンプレッサー式のようなモーターによる大きな振動が発生しません。ペルチェ式は電子冷却であり可動部が少ないため、原理的に振動が非常に少ないのが特徴です。ワインは振動に弱く、振動が続くと熟成に悪影響を与えたり、澱が舞ったりする可能性があります。本モデルはこのペルチェ式の特性により、振動を抑えた静かな環境でワインを保管できます。これにより、ワインの品質を損なうリスクを低減できます。ただし、冷却ファンによる微細な振動や音は発生します。

製品情報からは、庫内温度が設定範囲から外れた場合やドアが開けっ放しになっている場合に、アラーム音などで異常を知らせる機能があるか確認できませんでした。この価格帯のペルチェ式モデルでは、温度異常通知機能は搭載されていないのが一般的です。そのため、セラーの不調や設置場所の環境変化、ドアの閉め忘れなどによって庫内温度が変化した場合、すぐに気づくことが難しい可能性があります。大切なワインの品質劣化を早期に防ぐためには、ユーザー自身が庫内温度をこまめに確認する必要があります。

扉のガラスには紫外線カット加工が施されています。ワインは紫外線に弱く、光に当たると劣化が進み、風味や色が悪くなることがあります。特にガラス扉のセラーでは、庫内のワインが外部の光（太陽光や蛍光灯など）にさらされるリスクがあるため、このUVカット機能は重要です。この機能により、窓際など明るい場所に設置する場合でも、ワインが光によるダメージを受けるリスクを低減できます。ただし、完全な遮光ではないため、直射日光が長時間当たる場所への設置は避けるのが望ましいです。

製品情報からは、庫内の空気を循環させたり、匂いを取り除くための脱臭フィルターなどの機能があるか確認できませんでした。この価格帯のペルチェ式モデルでは、庫内脱臭機能は搭載されていないのが一般的です。ワインは周囲の匂いを吸収しやすいため、庫内に食品など匂いの強いものを一緒に保管したり、セラー自体にカビ臭などが発生したりすると、ワインに移香するリスクがあります。定期的な庫内清掃を行い、匂いの発生源を断つなど、衛生状態を保つための注意が必要です。ワインの香りを重視する方には不向きかもしれません。