OLYMPUS Tough TG-6 ブラック

本製品はRAW形式での画像記録に対応しています。RAWデータは、撮影時のセンサーが捉えた情報を非圧縮で保存するため、JPEG形式に比べて圧倒的に多くの画像情報を含んでいます。これにより、撮影後に露出、ホワイトバランス、色調などを調整する際、画質の劣化を最小限に抑えながら、より自由度の高い編集が可能になります。特に、光の条件が厳しい環境で撮影した写真や、作品としてじっくりと仕上げたい写真において、その真価を発揮します。

本製品の仕様には、絞りやシャッタースピード、ISO感度を個別に設定できるマニュアル露出モード（Mモード）に関する直接的な記載がありません。P（プログラムオート）モードやA（絞り優先オート）モードでの撮影は可能ですが、完全に手動で露出をコントロールしたいユーザーにとっては、表現の自由度が制限される可能性があります。特に、特定の意図を持った写真表現や、光の状況に合わせた細かな設定を行いたい場合には、物足りなさを感じるかもしれません。

本製品には、外部ストロボを接続するための端子（ホットシューなど）に関する記載がありません。内蔵フラッシュは搭載されていますが、より強力な光量や、バウンス撮影による自然なライティング、多灯ライティングといった高度なフラッシュ撮影は行えません。ポートレート撮影や、光をコントロールしてクリエイティブな表現を追求したいユーザーにとっては、この機能の欠如が制限となる可能性があります。

本製品には、レンズに入る光量を物理的に減らすND（Neutral Density）フィルターが内蔵されていません。日中の明るい場所でシャッタースピードを遅くして水の流れを絹のように表現したり、絞りを開放にして背景を大きくぼかしたりする撮影には、別途外付けのNDフィルターを用意する必要があります。動画撮影時にも、明るい場所での露出オーバーを防ぎ、滑らかな映像を撮るためには、外部フィルターの装着を検討する必要があるでしょう。

本製品の液晶モニターは固定式であり、角度を調整するチルト機能は搭載されていません。これにより、ハイアングルやローアングルからの撮影時に、モニターを確認しながら構図を決めることが困難になります。特に、地面すれすれの低い位置から花を撮ったり、人混みの中でカメラを高く掲げて撮影したりする際には、不便を感じるでしょう。タフネス性能を優先した設計のため、可動機構が省かれていると考えられます。

本製品はUSBケーブルを介してバッテリーを充電することが可能です。これにより、専用充電器がなくても、モバイルバッテリーやパソコンのUSBポートから手軽に充電できるため、外出先や旅行先での利便性が向上します。しかし、撮影中にUSBケーブルを接続してカメラに直接電源を供給する「USB給電」機能については、製品情報に明確な記載がありません。長時間の動画撮影やタイムラプス撮影など、バッテリー消費の激しいシーンでは、予備バッテリーの携帯が推奨されます。