ウエスタンデジタル(Western Digital) Western Digital SSD 2TB WD Green 2.5インチ 内蔵SSD WDS200T2G0A-EC

WD Greenシリーズは、コスト効率を重視して主にTLC（Triple-Level Cell）またはQLC（Quad-Level Cell） NANDフラッシュを使用しています（このモデルはTLCと推測されます）。上位モデルで採用されるMLCに比べて、1つのセルに多ビットを記録するため、書き換え回数に弱く、耐久性の指標であるTBW（Total Bytes Written）値が低めに設定されています。2TBモデルのTBWは通常400TBW程度と、プロフェッショナルモデルの2400TBWと比較して大きく劣ります。一般的なPC用途であれば問題ないことが多いですが、頻繁なデータ書き換えが必要な用途では製品寿命に影響する可能性があります。

WD Greenは、エントリークラス向けのコントローラーを採用していることが多く、コスト削減のためにDRAMキャッシュを搭載していない「DRAMレス」設計である可能性があります（または小容量）。DRAMキャッシュの代わりにホストメモリの一部を借りるHMB（Host Memory Buffer）機能や、SLCキャッシュ技術を用いてパフォーマンスを補っています。これにより一時的な高速書き込みは可能ですが、SLCキャッシュが一杯になった後の書き込み速度は大幅に低下することがあります。この特性から、OS起動や小規模なファイルアクセスには強いものの、大容量データの連続書き込みといった高負荷な状況での安定性や持続性能は、DRAM搭載モデルに劣ります。

本製品は、ハードウェアベースの自己暗号化機能（AES 256ビットなど）をサポートしていないのが一般的です。これにより、SSDコントローラー自身による自動的かつ高性能なデータ暗号化は行われません。万が一、ドライブが第三者の手に渡った場合、パスワードなどで保護されていない限り、中のデータが容易に読み出されるリスクがあります。セキュリティを重視する場合は、OS機能によるソフトウェア暗号化を利用する必要がありますが、ハードウェア暗号化に比べるとCPU負荷が増加したり、性能が低下したりする場合があります。