ウエスタンデジタル(Western Digital) WD Black SN770 WDS100T3X0E-EC

このSSDには温度監視機能が搭載されており、動作中の温度をモニタリングしています。高速なPCIe Gen4接続のため発熱しやすい傾向がありますが、温度が異常に上昇した場合には、SSDのコントローラが自動的に速度を調整（サーマルスロットリング）してSSDを保護します。これにより、SSDの寿命を延ばし、データ破損のリスクを低減しますが、性能が一時的に低下する可能性があります。安定したパフォーマンスを得るためには、ヒートシンクなどによる適切な冷却対策も重要です。

SSDのNANDフラッシュメモリには書き換え回数に制限があるため、特定の領域に書き込みが集中するとその部分が劣化し、SSD全体の寿命が短くなります。ウェアレベリング機能は、SSD内のデータが全てのNANDセルに均等に分散して書き込まれるように制御することで、特定のセルへの負担を軽減し、SSD全体の寿命を均一化・長期化させます。本製品もこの機能に対応しており、高い耐久性（TBW）と合わせて、長期間安心して使用できるよう設計されています。

不意の停電やPCの強制終了などが発生した場合に、書き込み中のデータを保護する電源遮断保護機能（Power Loss Protection）は、本製品には搭載されていない可能性があります。これは主にエンタープライズ向けSSDや一部の高性能コンシューマー向けモデルに搭載される機能です。通常の使用において問題になることは少ないですが、重要なデータを扱う場合や、電力供給が不安定な環境で使用する場合は、定期的なデータのバックアップやUPS（無停電電源装置）の使用を検討することをおすすめします。

SSDはデータを削除しても、その領域がすぐに書き込み可能になるわけではなく、「無効なデータ」として残ります。ガベージコレクション機能は、バックグラウンドでこれらの無効なデータを定期的に整理し、空き領域を確保する機能です。これにより、SSDの書き込み速度の低下を防ぎ、常に高いパフォーマンスを維持することができます。特にデータの書き換えが多い環境や、SSDの使用率が高い場合に、この機能が性能の安定性に貢献します。

SSDに保存されたデータは、読み出し時や保存中に微細なエラーが発生する可能性があります。エラー訂正機能（ECC: Error Correction Code）は、NANDフラッシュメモリからのデータの読み出し時にエラーを検出し、自動的に修正することで、データの正確性を保証する機能です。本製品にもこの機能が搭載されており、重要なデータが破損するリスクを低減し、信頼性の高いデータストレージとして機能します。データの信頼性を確保するために不可欠な機能です。

本製品は、Western Digitalが提供する専用ソフトウェア「WD_BLACK Dashboard」に対応しています。このソフトウェアを使用することで、SSDの現在の状態（温度、寿命、使用量など）をリアルタイムで確認できます。これにより、SSDの健康状態を把握し、異常が発生した場合に早期に気づくことができます。故障の予兆を検知して事前にデータをバックアップするなど、トラブルを未然に防ぐための重要な機能です。ゲームモードの設定なども可能です。