Tatung 大同電鍋 TAC-10IM

本製品は、外鍋に水を入れ、その水を電熱ヒーターで加熱して発生する蒸気で内鍋を温める「間接加熱方式」を採用しています。IH炊飯器のような強い火力や細かい火力制御はできません。このため、お米一粒一粒に均一に熱を伝える能力や、食感を作り分けるといった点では、最新のIH炊飯器に劣ります。ただし、シンプルな構造ゆえに操作は簡単で、火加減を気にする必要がないという利点があります。炊飯品質を最重視する方には不向きですが、蒸し料理や煮込み料理を中心に使う方にとっては十分な加熱能力を持っています。

内鍋はシンプルなステンレス製です。最上位のIH炊飯器のような多層構造や特殊なコーティング（例：備長炭コート、ダイヤモンドコートなど）は施されていません。このため、遠赤外線効果や蓄熱性といった点で、高級炊飯器の内釜には劣ります。ご飯のこびりつきを防ぐフッ素加工もないため、炊飯後はお手入れにやや手間がかかる場合があります。ただし、ステンレス製なので非常に丈夫で錆びにくく、耐久性に優れています。シンプルで扱いやすい反面、内釜性能に起因する炊き上がりの差は考慮が必要です。

本製品は、炊飯器に期待されるような白米以外の多様な炊飯メニュー（例：早炊き、エコ炊飯、無洗米専用など）や、ごはんの硬さや粘りを調整する食感炊き分け機能（例：かため、やわらかめ、もちもち、しゃっきりなど）は搭載していません。外鍋に入れる水の量で加熱時間を調整するため、ある程度の調整は可能ですが、炊飯器のような自動での最適な炊き分けや細かい設定はできません。シンプルな白米炊飯機能のみと考えてください。