ION Audio(アイオンオーディオ) Vinyl Motion

本製品にはオートリターン機能は搭載されていません。レコードの再生が終了しても、アームが自動的に元の位置に戻ったり、ターンテーブルの回転が停止したりすることはありません。そのため、レコードの再生が終わったら手動でアームを戻し、電源を切る必要があります。この機能がないことで、レコードや針の摩耗が早まる可能性があり、特に再生終了後に放置してしまう習慣がある方にとっては注意が必要です。手動操作に慣れていない初心者の方は、この点に留意して使用する必要があります。

本製品は33 1/3、45、78回転の3つの速度に対応しており、レコードの種類に合わせて手動で切り替えることができます。しかし、回転速度を微調整する機能は搭載されていません。レコードの音程がわずかにずれている場合や、より正確な再生を求める場合には、微調整機能がないことが影響する可能性があります。特に古いレコードや状態の良くないレコードでは、回転ムラが気になる場合があるかもしれません。手軽にレコードを楽しむ分には問題ありませんが、音質にこだわるユーザーにとっては考慮すべき点です。

本製品には針圧調整機能は搭載されていません。針圧は工場出荷時に固定されており、ユーザーが自由に調整することはできません。針圧の調整は、レコードの溝への負担を軽減し、音質を最適化するために重要な要素です。針圧調整機能がないため、特定のレコードで音飛びが発生しやすい場合や、より繊細な音質を求める場合には、この点が制約となる可能性があります。手軽さを重視したモデルであるため、専門的な調整機能は省かれています。

本製品にはBluetooth送信機能が搭載されていません。そのため、Bluetooth対応のワイヤレススピーカーやヘッドホンに直接レコードの音を送信して楽しむことはできません。音楽をワイヤレスで楽しみたい場合は、RCA出力端子から外部のBluetoothトランスミッターを接続するか、有線接続のスピーカーやヘッドホンを使用する必要があります。手軽にワイヤレス環境を構築したいユーザーにとっては、この機能の欠如は考慮すべき点となります。

本製品はUSB端子を搭載しており、付属のUSBケーブルでPCに接続することで、レコードの音源をデジタルデータとして録音することが可能です。付属のソフトウェア「EZ Vinyl/Tape Converter」を使用すれば、簡単にアナログ音源をデジタルファイルに変換し、スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーで持ち運んだり、CDに焼いたりすることができます。これにより、大切なレコードコレクションをデジタル形式で保存し、様々なデバイスで楽しむことが可能になります。

本製品は、プレーヤー部分が本体から約5ミリほどフロートする構造になっており、手で触ると上下左右に動くことで振動を吸収する設計がされています。これは、外部からの振動がレコード再生に与える影響を軽減するための工夫であり、簡易的ながらもインシュレーターとしての役割を果たしています。レコードプレーヤーは振動に敏感な機器であるため、このような構造は音飛びの防止や音質の安定に寄与します。特にポータブル用途での使用において、外部からの衝撃や振動を和らげる効果が期待できます。