KIOXIA EXCERIA M.2 PCIe LRC10Z001TG8

予期せぬ電源断や停電が発生した場合でも、SSDへの書き込み処理中にデータが失われたり破損したりするのを防ぐための重要な機能です。この機能は、SSD内部のコンデンサなどに蓄えられた電力を使用して、書き込み中のデータを安全にフラッシュメモリに保存します。これにより、システム全体の安定性が向上し、重要なファイルやOSの整合性を保つことができます。特に、長時間のデータ転送やシステムアップデート中に電源トラブルが発生するリスクがある場合に、データの安全性を高める上で非常に役立ちます。

本製品では、SSDに保存される全てのデータを、専用のハードウェア回路を用いて自動的に強力なAES 256ビット暗号化で保護する機能は、明示的に確認できませんでした。そのため、ドライブの紛失や盗難が発生した場合でも、第三者による不正なデータアクセスを効果的に防ぐためのハードウェアレベルの暗号化機能は搭載されていない可能性が高いです。個人情報や機密情報を保護したい場合は、OSレベルでのソフトウェア暗号化などを別途検討する必要があります。

高性能なNVMe SSDは、高負荷な連続使用時にかなりの熱を発生させることがあります。本製品は、SSDの温度を常に監視し、過度な温度上昇を検知した場合に自動的にパフォーマンスを調整する過熱防止機能を備えています。これにより、SSDが高温になりすぎて性能が低下する「サーマルスロットリング」を抑制し、部品の寿命を縮めるリスクを低減します。長時間のゲームプレイや大容量ファイルの転送など、SSDに継続的な負荷がかかる状況でも、安定したパフォーマンスを維持し、製品寿命を延ばすことに貢献します。

本製品は、DRAMキャッシュを搭載していない代わりに、PC本体のメインメモリ（RAM）の一部を一時的なキャッシュとして利用するホストメモリバッファ（HMB）機能を搭載しています。SSDへのデータアクセス要求があった際に、このHMBを介してPCのメインメモリと連携し、SSDコントローラーとNANDフラッシュ間のデータ転送を効率化します。これにより、DRAMキャッシュ非搭載SSDでありながらも、SSDの応答性や読み書き速度を改善し、システム全体の軽快な動作に貢献します。特に、OSの起動やアプリケーションのロードといった、ランダムアクセスが多用される場面で効果を発揮します。

本製品は、長時間の連続したデータ読み書き作業においても、SSDのパフォーマンスが急激に低下するのを最小限に抑え、高いレベルの転送速度を維持するように設計されています。例えば、4K/8K動画の編集やレンダリング、大規模なゲームのインストールやプレイ、複数のアプリケーションを同時に実行するような、SSDに継続的な負荷がかかる状況でも、安定した速度を提供します。これにより、作業効率を損なうことなく、スムーズで快適なPC体験を維持することができます。