KORG(コルグ) volca fm2

本製品のマルチタッチ27key鍵盤には、鍵盤を弾く強さによって音の大きさを変化させるベロシティ機能は搭載されていません。そのため、演奏に繊細な強弱の表情をつけることはできませんが、シーケンサーやアルペジエーターを活用することで、リズムや音色の変化による表現を楽しむことができます。外部MIDIキーボードを接続した場合、そのキーボードがベロシティ対応であれば、MIDI信号としてベロシティ情報を送ることは可能ですが、本体鍵盤での直接的な表現は限定されます。

ピッチベンドホイールやモジュレーションホイールといった、演奏中に音の高さを連続的に変化させたり、ビブラートなどの効果を加えたりする機能は搭載されていません。しかし、FM音源の特性を活かしたオペレーターのパラメーター操作や、内蔵エフェクト、シーケンサーのワープ・アクティブ・ステップ機能などを活用することで、音色に動きや変化を与えることが可能です。

異なる音色を重ねて演奏するレイヤー機能については明示的な記載がありません。本製品はFM音源であり、6オペレーターの組み合わせによって多彩な音色を生成します。最大6ボイスの同時発音が可能であるため、和音やコード演奏は可能ですが、複数の独立した音色プログラムを同時に重ねて演奏する機能は搭載されていないと考えられます。

16ステップシーケンサーを内蔵しており、タッチ・パネル鍵盤での演奏をそのまま記録できます。直感的な操作で素早く演奏パターンを作り出すことができ、ワープ・アクティブ・ステップやパターン・チェイン機能と組み合わせることで、複雑で有機的なシーケンスを構築することが可能です。作曲のアイデアを記録したり、ライブパフォーマンスで活用したりするのに非常に便利な機能です。

内蔵エフェクトとして、FMシンセサイザーに相性抜群なコーラスと、サウンドに奥行きを加えるリバーブが搭載されています。これらのエフェクトを使用することで、音作りの幅が広がり、より豊かな響きや空間的な広がりを持つサウンドを作り出すことができます。特にリバーブの追加は、前モデルからの大きな進化点であり、ゴージャスなサウンド演出に貢献します。

MIDI IN/OUT端子（φ3.5mmステレオミニホンジャック、別途MIDI DIN変換器が必要）を装備しており、外部のMIDIキーボードやシーケンサー、DAWソフトウェアと連携することが可能です。これにより、volca fm2を音源として使用したり、volca fm2のシーケンサーで他のMIDI対応機器を演奏したりできます。ただし、本体にUSB-MIDI端子は直接搭載されていないため、PCとの連携には別途オーディオ/MIDIインターフェイスが必要となります。